ファストリ柳井氏、京大に100億円寄付 コロナ支援「民間がより早く」

2020/6/24 23:00
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ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が24日、京都大学に個人として総額100億円を寄付すると発表した。ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授と本庶佑特別教授の活動に各50億円提供する。iPS細胞を活用した新型コロナウイルスの病態解明やワクチン開発に役立てる。世界でもコロナ対策に企業家が個人で支援する動きが相次いでいる。

柳井氏は山中教授が所長の京都大iPS細胞研究所向けに20年度にまず5億円を寄付。同研究所は20~22年度にこの資金などを元にコロナ研究を進める。iPS細胞から心筋細胞や肺の組織をつくり、コロナに感染させて、どう感染が進むのかの把握に役立てる。

コロナは人種間で重症化の傾向に違いがあるとされる。山中教授は「なぜ同じウイルスに感染しても症状に違いがあるのかを解明したい」と述べた。同研究所が持つ技術を生かしたワクチン開発にも寄付金を生かす。

本庶教授が担う次世代のがん免疫治療法の研究向けに「柳井基金」を設置。20年度からの10年間で合計50億円をこの研究資金に充てる。本庶教授は「コロナを含めた感染症の研究にも直結する」と強調した。

企業家の巨額資金は国の研究支援を補完することにもつながりそうだ。国からの資金は年度ごとに用途の制約があることが多い。本庶教授は「柳井基金は自由な発想で研究施設の整備や若い人の研究支援に生かせる」と話す。

世界の企業家の間でも新型コロナウイルス対策で寄付の動きが広がっている。米ツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は4月、10億ドル(約1100億円)を提供すると発表。マイクロソフトを創業したビル・ゲイツ氏も自身の財団を通じてワクチン開発などに合計3億ドル超を支援している。

海外企業家のコロナ関連支援はワクチン開発のほか、マスク調達や困窮者の食糧支援など多岐にわたる。柳井氏はこうした世界的な動きに対して「ビジネスの最終的な目標は人々の生活をどう変えていくかだ」と指摘した。

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