原発避難、東電に賠償命令 国への請求認めず 福岡地裁

社会・くらし
2020/6/24 17:53 (2020/6/24 19:58更新)
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東京電力福島第1原発事故で、福島県や首都圏などから福岡、佐賀、熊本、鹿児島の4県に避難した18世帯53人が、東電と国に計2億9700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は24日、福島県内からの避難者7世帯24人に対して計約490万円を支払うよう東電に命じた。国への請求は棄却した。

避難者による全国約30件の集団訴訟で16件目となる一審判決で、九州では初めて。これまでの15件と同様、東電に賠償を命じた。国が被告となった12件のうち、国の責任を認めなかったのは5件目になる。原告側は不服として控訴する方針。

徳地淳裁判長は、福島県の自主的避難等対象区域内に住んでいた原告について、平穏な日常を失い、不便な避難生活を強いられていることに対する慰謝料などの請求を認めた。原告側が主張した「ふるさと喪失」の損害は「慰謝料の算定で考慮すべき事情にとどまる」とした。

区域外の原告は個別に検討し、いずれも避難がやむを得ない状況ではなかったとして請求を退けた。

また、地震予測「長期評価」などを踏まえれば、国は2002年末の時点で、福島第1原発の敷地の高さを超える津波を予見できたと指摘。しかし、実際の津波はより大規模だったとし「対策を取っていても原発事故を回避できた可能性は低い。国が、東電に対策を義務付ける規制権限を行使しなかったことは不合理ではない」と述べた。

原告弁護団は判決後、記者会見し「国主張の丸のみだ。予見可能性を認めながら対応を取らなくてもよいとした点は、これまでで最もひどい判決だ」と批判した。

〔共同〕

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