「チャラい政治哲学者」萱野稔人が考える硬派な国家論
哲学者が考えていること(3)
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津田塾大学の女子学生の間でひそかに回し読みされているファッション誌がある。
「AneCan」(小学館)の2013年7月号。特集のタイトルは「浴衣男子と浴衣デート」だ。俳優の斎藤工、小泉孝太郎らとともに、パリッとした浴衣姿でカメラ目線を決める短髪の男がグラビアに写っている。萱野稔人(49)。同大で教鞭(きょうべん)を執る哲学者である。
「昔から、はやりに乗っかる軽薄な人間なんですよ」。そううそぶ...

「哲学者」と聞いて誰を思い浮かべるだろう。ソクラテス? アリストテレス? いや、哲学者は現代の日本にもいる。世の中で起きていること、社会が直面している問題を深く考え、よりよい生き方について、ヒントを与えてくれる人たちだ。私たちが複雑な世界を生きるためには、「ノウハウ」や「スキル」ではない、本当の「知」が必要だ。いま、哲学者が考えていることとは――。