消費増税の転嫁拒否、過去最多の指導・勧告 19年度

2020/6/24 13:30 (2020/6/24 15:01更新)
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消費税率の引き上げ分を仕入れ価格などに転嫁せずに中小の納入業者と取引を続けたとして、公正取引委員会が2019年度に、消費税転嫁対策特別措置法に基づき749件で指導・勧告したことが24日分かった。消費税率が19年10月に10%に引き上げられた影響もあり、同法が施行された13年度以降で最多となった。

同法は立場の強い小売業者などが中小業者から商品を仕入れる際、増税分の価格転嫁を拒むことを禁じている。公取委は消費税の10%への引き上げが取引価格にも適正に転嫁されるように、19年度は例年よりも大規模な調査を進めていた。

指導・勧告の内訳は、121件が19年10月の10%への引き上げに関連した措置だった。このほか、411件は引き上げ前に実施した調査で、増税分を織り込まずに取引価格を据え置くといった「買いたたき」などの違反行為の恐れがあるとして指導したもの。残りの217件は14年4月の8%への引き上げに絡む措置だった。

指導・勧告を受けた業種は製造業が107件(14.3%)で最も多く、建設業86件(11.5%)、小売業85件(11.3%)と続いた。

違反行為の内訳は買いたたきが72.0%を占めた。既に取り決めた税込みの対価から増税分を差し引くなどの「減額」が23.5%だった。

749件のうち、6件で重大な違反として業者名を公表した。カルチャー教室運営大手の「カルチャー」(相模原市)は10%への消費税増税に伴い、外部講師約8千人に支払う委託料を引き下げることを決定。公取委が委託料の支払い前に調査に入ったため同社は引き下げ方針を撤回した。公取委は19年12月、買いたたきに当たるとして同社に再発防止を勧告した。

そのほか、専門学校を運営する企業が、講師業務の委託先に対して、消費税率の引き上げ分を上乗せすることなく、委託代金を据え置くなどの事例があった。19年度の指導・勧告の結果、買い手側の計276事業者が、売り手側の計約6万8千事業者に計約38億円を返還した。返還額も13年度以降で最多だった。

公取委は19年10月、消費税の引き上げに伴う買いたたきなどの行為について「違反があれば厳正に処する姿勢を貫きたい」(当時の山田昭典事務総長)としていた。

増税分の転嫁拒否などに関する19年度の相談は2102件で、18年度の4倍だった。取引実態を把握するため、18年度の2倍の計約2200事業者・団体へヒアリングした。

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