米「抗議デモでコロナ拡散」現実に 26州で感染拡大

2020/6/24 4:51 (2020/6/24 5:33更新)
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黒人差別や警察の暴力への抗議活動は全米に広がった(カリフォルニア州)=ロイター

黒人差別や警察の暴力への抗議活動は全米に広がった(カリフォルニア州)=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】米国で黒人差別への抗議デモが、新型コロナウイルスの感染拡大を招くとの懸念が現実になりつつある。南東部サウスカロライナ州では参加者の間で集団感染が起き、デモを控える動きも出はじめた。「集会の権利」は憲法で保障されており、行政による感染防止策を難しくしている。

■デモ参加が集団感染

「複数の参加者から陽性反応が出た。みんなもすぐに検査を受けてほしい」。サウスカロライナ州で抗議デモを主催する人権活動家の男性は20日、ツイッター上でデモ参加者らに新型コロナの検査を受けるよう呼びかけた。州都コロンビア周辺のデモ参加者の間で少なくとも13人の感染が確認されたという。

人々が密集する抗議デモではマスクをつけていない参加者も目立つ(サウスカロライナ州)=ロイター

人々が密集する抗議デモではマスクをつけていない参加者も目立つ(サウスカロライナ州)=ロイター

同州では抗議活動が活発になった6月以降、新型コロナの新規感染者数が増加している。人権活動家の男性は今後のデモについては延期するか、オンラインでの活動に移す考えを示した。他の地域のデモの主催者にも、大規模な集会を控えるよう呼びかけている。

5月下旬に中西部ミネソタ州で起きた白人警官による黒人暴行死事件をきっかけとする「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」の抗議活動は全米50州に広がった。州や郡などが大人数の集まりを制限している地域でも抗議デモが頻発し、新型コロナの感染拡大を懸念する声が強まっている。

■「集会する権利」とのバランス難しく

米米疾病対策センター(CDC)は6月中旬の記者会見で抗議デモなど大規模集会への参加を控えるよう警告を発したものの、効果はまだ限定的だ。合衆国憲法修正第1条は言論の自由などとともに、平和的に集会する権利を保障している。抗議デモに参加する自由は、行動制限などの命令に優先するとの考え方もある。

米ジョンズ・ホプキンス大学によると、米国の新型コロナ感染者数は23日時点で232万人を超え、死者数は12万人に達した。足元の1日当たりの新規感染者数は3万人近くで高止まりしている。米メディアによると全米50州の過半の26州で感染ペースが拡大している。

■若者の「無症状感染」に懸念

特に感染拡大が顕著なのはいち早く行動制限を解除したテキサス州やフロリダ州など南部の州だ。テキサス州では1日当たりの新規感染が4000人前後に達し、経済を再開した5月上旬の3倍超に増加している。

同州の感染者数の多くは外出制限の緩和後にバーなどを訪れた30歳未満の若者だという。無症状の感染者を介したウイルスまん延への懸念も強まっている。アボット知事は22日の記者会見で新規感染者数の伸びについて「許容できない」としつつも、行動制限の再実施については「最後の手段だ」と消極的な姿勢を示した。

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