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緊迫続く空港検疫 入国制限下、感染確認絶えず

(更新)
成田空港の検疫所で帰国者からPCR検査の検体を採取する職員(5日)

空港検疫のPCR検査で新型コロナウイルスの感染確認が続いている。入国制限により検査対象は全国で1日1千人程度にとどまるが、ほぼ連日新たな感染者が見つかっている。ブラジルやパキスタンなど感染が拡大している国からの入国者が目立ち、水際対策の現場では緊迫が続いている。

閑散とした成田空港の一角で、米国やカナダから到着した乗客が間隔を空けて列をつくる。「少し痛いですが我慢してください」。検疫所内の特設ブースで、フェースガードに防護服姿の職員が入国者の鼻に長い綿棒を差し込み、検体となる鼻の奥の粘液を手際よく採取していく。

政府は2月以降、水際対策を順次強化し、23日時点で入国拒否は111カ国・地域に及ぶ。現在入国できるのは日本人の帰国者のほか、早期に再入国の手続きをしたうえで日本を離れていた永住者や日本人の配偶者などに限られる。症状の有無にかかわらず全員がPCR検査を受ける。

検体採取を終えると、検疫所の職員が付き添って迎えの車やバスに乗り込むのを確認する。検査結果は半日ほどで通知され、結果が陰性でも2週間は自宅やホテルでの待機を求められる。

PCR検査の1日当たりの実施人数は5月に平均570人だったのが、6月は23日までで平均950人に伸びている。厚生労働省の担当者は「国内の感染拡大を警戒して日本を出た外国人が、感染リスクが低下したとみて戻ってきている可能性がある」と話す。

厚労省が発表した空港検疫での感染確認は23日時点で累計286人。緊急事態宣言が出ている間はゼロの日も多かったが、宣言が全面解除された5月25日以降で124人の感染が確認されている。124人の8割近くを外国人が占め、直前の滞在国はパキスタン44人、ブラジル14人、フィリピン14人など「感染が拡大している国が目立つ」(厚労省担当者)。

9日にはパキスタンから成田に到着した10歳未満から50代の男女14人の感染を確認。14日はパキスタンやフィリピンからの14人、15日はパキスタンやインドネシアからの12人が陽性となり、2日連続で10人を超えた。

政府は経済活動の回復に向けてビジネス目的の往来に対する制限を緩和していく方針。当面は感染に収束の兆しがみえるベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドから1日最大250人程度の受け入れを目指す。自国を出る前にPCR検査を受け、日本に入る際も重ねて検査を行う方向で検討している。

全国13カ所の検疫所のPCR検査能力は1日最大2300件で、頭打ち状態となっている。厚労省の担当者は「空港内のスペースや検査技師の確保などでこれ以上の増強は難しい」と話す。

渡航医学に詳しい東京医科大の浜田篤郎教授は「入国制限を緩和していくなか、この先も全員にPCR検査をし続けるのは現実的ではない。効率的で精度の高い検査手法の開発を進めるとともに、無症状の場合は2週間の観察期間を条件に入国を許可するなどの措置も必要になるだろう」と指摘している。

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