ピーチ、逆風下で挑む新路線 成田-釧路、宮崎開設へ

2020/6/23 16:39
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格安航空会社(LCC)国内最大手のピーチ・アビエーションは23日、8月1日に成田―釧路、成田―宮崎の2路線を開設すると発表した。ピーチは国内線を中心に復便を進める方針を打ち出しており、今月19日に国内線の全路線を再開、7月22日からは国内線全便を復便させる。航空各社が減便を続ける中、いち早く新路線も開設して反転攻勢に出る。

ピーチ・アビエーションは国内線の運航便数を増やす

23日の午後4時から販売を開始し、それぞれ1日1往復を運航する。両路線の就航でピーチの成田発着の国内線は10路線となり、もう一つの拠点である関西空港(同12路線)と肩を並べる。このほか、成田―奄美線について、8月7日~16日までのお盆期間は現在の1日1往復から1日2往復へと増便する。

世界では新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい出入国制限が続く一方、国内では緊急事態宣言が解除され、6月19日からは都道府県をまたぐ移動の制限も緩和された。こうした状況の中、ピーチの森健明最高経営責任者(CEO)は国際線では引き続き減便を続ける一方、国内線の大幅な増便を進める考えを示していた。

23日、成田空港内で記者会見したピーチ経営企画室長の遠藤哲執行役員は国内は減便から、移動と感染防止の両立を求めていく新しい段階に移ったとした上で「路線をいち早く拡大し、経済の再生に貢献していきたい」と路線の拡充を進める考えを強調した。

日本のLCCにとって国内線のシェア拡大は容易ではない。国土交通省によると2018年のLCCの国内線シェアは10.2%だった。「LCC元年」と呼ばれた12年以降急上昇したシェアは、15年を境に10%程度で頭打ちの状態が続く。国際線が12年の5.2%から18年に26.1%まで順調に伸びていたのとは対照的だ。

伸び悩みの理由の一つとして挙げられているのが羽田発着枠だ。全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)、スカイマーク、AIRDO、スターフライヤーといった既存航空会社と違い、LCCは羽田の昼間の発着枠を持っておらず便を設定できない。都心部から遠い成田発着の国内線は、ビジネス旅客の獲得では不利に働く。

LCC各社も無理に国内線を拡大するのではなく、インバウンドの追い風を受けた国際線の拡大に力を入れてきた面があったが、新型コロナで状況が一変した。

ピーチの遠藤執行役員は既存航空会社との競合について「仕事はフルサービス、プライベートではLCCを使ってもらうという、賢い使い方を訴求していくことで十分商機はあると思っている」との考えを示した。

国内線を巡っては、大手のJALも新型コロナ後の新常態(ニューノーマル)に合わせた新商品の投入などによる強化を打ち出すなど、各社が注力をする姿勢を示しており、競争の激化は必至だ。いち早く復便や増便を打ち出したピーチが存在感を示せるか。新たな需要の掘り起こしがカギを握る。(井沢真志)

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