関電株主、92億円賠償請求 現旧経営陣ら22人提訴

2020/6/23 15:36 (2020/6/23 17:35更新)
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関西電力本店が入る関電ビルディング(大阪市北区)

関西電力本店が入る関電ビルディング(大阪市北区)

関西電力の金品受領問題を巡り、会社の信用を低下させ損害を与えたとして、個人株主5人が23日、八木誠前会長や岩根茂樹前社長、森本孝社長ら現旧の経営陣や監査役など計22人を相手取り、関電に約92億円の損害賠償を支払うよう求める株主代表訴訟を大阪地裁に起こした。訴訟には5人に加え、44人の株主が共同参加する。

金品受領問題を受け関電は16日、八木前会長ら旧経営陣5人に、計19億3600万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたが、森本社長ら現経営陣や監査役の提訴は見送っていた。株主らは、より広範囲な責任追及が必要だと判断し、代表訴訟に踏み切った。

記者会見する原告ら(23日、大阪市)

記者会見する原告ら(23日、大阪市)

訴状によると、八木前会長らは、原発が立地する福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(死去)から多額の金品を受領し、森山氏と関係が深い会社へ不適切な工事発注をするなどし、問題の公表もしなかった。森本社長ら取締役や監査役はそれぞれ取締役会や監査役会への報告義務を怠った。

また八木前会長らは、受領した金品の一部を所得とみなされた役員の追加納税分を関電に補填させたほか、東日本大震災後の電気料金値上げでカットした役員報酬を退任後ひそかに補填した。

株主側は、電気料金を個人的な税務費用に使うことは「利用者への重大な背信行為だ」と批判。役員報酬の補填も「利用者を欺いて料金を値上げした詐欺行為で、正式な手続きを経ない裏報酬だった」とし、職務上の善管注意義務などに違反したと主張している。

損害については、問題発覚後の信用低下による株価下落50億円、営業損害7億円、不正発注と公正な発注の差額3億2千万円などと算定した。

株主らはこれまで関電に対し、現経営陣や監査役の責任も追及するよう求めていた。関電は社外の弁護士へ委嘱した調査では注意義務違反が認められたものの、損害の有無や範囲が明らかでないなどとして、提訴はしないと結論付けた。〔共同〕

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