5月の世界粗鋼生産8.7%減 「中国1強」が鮮明に

2020/6/23 15:46
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世界鉄鋼協会が23日までにまとめた世界64カ国・地域の5月の粗鋼生産量(速報値)は、前年同月比8.7%減の1億4878万トンだった。新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少が響いた。一方、世界の粗鋼生産量の約6割を占める中国が景気対策で積極増産しており、同国の生産量は4.2%増となった。中国の「1強」ぶりが、より鮮明となっている。

中国は景気対策で鉄鋼を積極増産している(河南省の製鉄所)=ロイター

世界の粗鋼生産量の前年割れは3カ月連続。ただ中国の増産を受けて、減少率(8.7%)は4月(13.4%、改定値)に比べて縮小した。

国別では、中国は4.2%増の9227万トンだった。中国国家統計局によると、5月は1カ月当たりの粗鋼生産量が過去最多を更新。公共投資や製造業の回復に支えられ、鉄鋼業も新型コロナの影響から脱している。

ただ、中国を除く主要生産国は依然として苦しい状況だ。米国は36.6%減の479万トン、欧州連合(EU)は26.8%減の1049万トンだった。4月に6割以上減ったインドは、日本製鉄などが買収したAM/NSインディアなど大手の生産が回復しつつあるが、39.1%減の577万トンだった。

日本は592万トンと31.8%減少し、減少幅も前月から拡大した。4月までに日鉄が計2基、JFEスチールが1基の高炉を一時休止していたが、5月は日鉄の東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)の高炉も新たに1基加わった。鉄鋼大手がさらなる減産体制へ移行したことが響いた。

中国のみが増産を続ける状況に対し、業界での不安は強まっている。同国の鉄鋼大手が輸入を増やしていることで原料の鉄鉱石の価格も上昇。各社の収益面への悪影響も懸念される中、日本鉄鋼連盟の橋本英二会長(日鉄社長)は「中国の脅威は従来とは比べものにならない」としている。

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