デジタル化へ規制見直し コロナ後にらむ骨太方針骨子

2020/6/22 22:06 (2020/6/23 5:06更新)
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テレビ会議方式で開かれた経済財政諮問会議であいさつする安倍首相(22日、首相官邸)

テレビ会議方式で開かれた経済財政諮問会議であいさつする安倍首相(22日、首相官邸)

今後1年間の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を巡る議論が22日、本格的に始まった。政府は骨子で社会や行政のデジタル化を進める考えを示し、対面や押印を求める規制と慣行の見直しを掲げた。オンライン診療の恒久的な規制緩和に道筋をつけられるかなどが焦点となる。

22日の経済財政諮問会議に示した骨子では、デジタル化を最重点課題に据えた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、オンラインを使ったサービスや働き方の重要性が高まったためだ。

安倍晋三首相は会議で「国・地方ともに行政サービスをデジタル化し、デジタルガバメント(電子政府)を国民目線で構築していくことはもはや一刻の猶予もない」と述べ、行政の電子化を急ぐ考えを示した。骨太の方針は7月半ばに決める。

コロナを受けた給付金の支給では、行政がオンライン申請などのIT(情報技術)を使いこなせないことによる遅れが続出した。経団連の中西宏明会長ら民間議員は自治体への専門人材派遣や、事務処理を効率化するシステムを国主導で整備することを提案した。

医療や教育、仕事でのIT活用は、対面や書面を原則とする規制が拡大を阻む場面も目立つ。骨太の骨子は「変化を加速するための制度・慣行の見直し」を掲げた。

一筋縄ではいかない課題も多い。なかでもオンライン診療は「最も後戻りしそうだ」(政府関係者)ともいわれる。

オンラインや電話による遠隔診療は4月に全面的に解禁された。ほとんど認められていなかった初診からの利用が可能になった。コロナの院内感染を防ぐための時限的、特例的な規制緩和だ。

民間議員の間ではオンライン診療の推進論が強い。5月にはオンライン診療などデジタル化の取り組みを「後戻りさせることなく定着・拡大すべきだ」と提言した。6月22日には診療の効果と課題について客観的で透明性の高い検証を求めた。

一方、日本医師会はコロナを受けた規制緩和を「特例中の特例だ」(幹部)とし、収束後は一度元に戻すよう求める。対面より情報量が限られ、初診からでは重症化の兆候を見逃すリスクがあると主張する。特定の医師に患者が集まることへの警戒感もあるようだ。

厚生労働省幹部は「完全に元に戻ることはない」と語り、規制緩和は進むとの見方を示す。同省は特例的な全面解禁に踏み切る前、過去に診療した経験がある患者なら初診から認めるという結論をまとめたことがある。

海外ではオンライン診療が急速に普及し、米国では2020年に診療回数が10億回に達するとの予測がある。中国でも代表的なアプリ「平安好医生」の登録者数が3億人を超えた。主要国では日本の出遅れが目立つ。

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