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仏選手獲得、サブスクで柔軟に ラグビーNTTコム

動画配信などで広がるサブスクリプション(定額課金)をスポーツ選手の獲得にも採用する動きが出てきた。ラグビートップリーグ(TL)のNTTコミュニケーションズはフランスリーグのクラブに定額の費用を支払い、同クラブの若手を自由に補強できる契約を結んだ。スポーツ界では珍しい試みで、支出を抑えながら柔軟な選手補強ができる利点がある。

NTTコムは昨年11月に仏1部の強豪リヨンとパートナーシップ契約を締結。同クラブのアカデミーに所属する20~22歳程度の選手を期限付き移籍で獲得できる条件を盛り込んだ。同時期に補強できる選手は1人だけだが、シーズン中の入れ替えは自由。シーズン当初に司令塔のSOを補強し、負傷者が出た後にFWの選手に変えるようなこともできる。

リヨンは提携するNTTコムのロゴをジャージーの胸に付けて大会に臨むこともある(NTTコミュニケーションズ提供)

TLの外国人選手は年俸数千万円が相場だが、負傷でシーズンを棒に振るケースもある。内山浩文ゼネラルマネジャー(GM)は「サブスクによって必要な費用を抑えながらフレキシブルに戦力補強ができる」と説明する。サブスクを使った選手獲得の費用は従来の半額程度になる見通しという。

今季のNTTコムは10人強の外国人選手が所属したが、「サブスクでの補強は年に1~2人の獲得を想定している」と内山GM。新型コロナウイルスの影響で取りやめとなったが、本来は今春に第1号の選手が加入する予定だった。

フランスのラグビーの育成制度は世界屈指の水準で、能力の高い若手が多い。今季の同国1部リーグで2位のリヨンは20歳以下の代表チームなどで活躍した選手も抱える。来日する選手にとっても、近年レベルが高まっているTLでのプレー経験は成長の糧になり得る。

TLは外国人選手の登録がほぼいつでも可能なため、サブスクの利点が大きい。ただ、新型コロナの影響で減収が見込まれる他のプロリーグなどでも導入のメリットはありそうだ。

NTTコムの選手がフランスでプレーできる可能性も広がった。2015年ワールドカップ(W杯)日本代表のWTB山田章仁は昨年のTL終了後にリヨンに期限付き移籍した。「会社に籍を置きながら海外には行くことはなかなかできないので、この仕組みはありがたい」と喜ぶ。

ラグビー元日本代表の山田章仁は昨年、リヨンに期限付き移籍した(NTTコミュニケーションズ提供)

日本のチームはこれまで南半球のスーパーラグビーのクラブと組むケースが多かったが、NTTコムは欧州を選んだ。内山GMは「TLで何度も5位になっているが、ベスト4の壁を破るためにも、違うエッセンスを入れないと難しいと感じていた」と説明する。

提携には別の狙いもある。日本ラグビー協会は21年秋からトップリーグを発展解消する形で新リーグを設立する予定。各チームもチケット販売などの事業機能を持つことになりそうで、体制づくりが急務となる。「新リーグに備え、強化以外でも新しいことを考えていく必要があった」。内山GMは売り上げ規模で世界一を誇る仏リーグから学べるものは多いとみる。

フランスは23年にラグビーW杯、24年にパリ五輪が開かれるなどスポーツビジネスが拡大する余地も大きい。リヨンの親会社のGLイベンツはイベント運営やスタジアム整備の世界的な大手でもある。内山GMは「GLイベンツからもエンターテインメントなど新リーグのヒントを学びたい」と期待している。

(谷口誠)

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