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米、激戦州の雇用悪化鮮明 トランプ氏の支持率落ちる

(更新)

雇用悪化に底入れ感が出てきた米経済だが、大統領選の激戦州は失業率が高止まりしている。5月の州別統計をみると、製造業が集積する「ラストベルト」ではミシガン州が21.2%と全米平均より7.9ポイントも高い。2016年の選挙でトランプ氏が逆転勝利したフロリダ州なども雇用悪化が目立ち、同氏の支持率が低下している。

米労働省は19日、全米50州別の雇用統計を発表した。失業率が最も高かったのは、大統領選が常に接戦となる激戦州の1つであるネバダ州(25.3%)だ。新型コロナウイルスで主要産業のカジノの客足が遠のき、同州のレジャー・接客業の雇用は1年前から37%(約13万人)も減少した。

中西部ミシガン州も、製造業の雇用者数が1年前から24%(約15万人)減少した。中国との貿易戦争で雇用が弱含んでいたところにコロナ危機が直撃し、労働市場の深刻さが際立っている。ラストベルトではオハイオ州も、失業率が13.7%と全米平均(13.3%)より高止まりしている。

激戦州のうちミシガン、オハイオ、ペンシルベニア、ウィスコンシン、フロリダの5州は、16年にトランプ氏がいずれも僅差で制して番狂わせの勝利につなげた。トランプ氏は中国製品の関税引き上げや中南米からの移民制限など異色の政策を公約して、民主党の支持基盤だった労働者層の票を奪い取った。

ただ、5州の失業率は、比較的低いウィスコンシンでも12%台と雇用悪化が目立つ。各州のトランプ氏とバイデン氏の支持率をみると、オハイオ州では0.5ポイント差でトランプ氏がリードするものの、4州はバイデン氏が4~10ポイント差で先行する。ネバダ州でもバイデン氏がリードするなど、雇用悪化はトランプ氏に極めて強い逆風となる。

トランプ氏は5月の失業率の改善で「これからV字回復していく」と意気込むが、米連邦準備理事会(FRB)は10~12月時点でも失業率は9%台に高止まりすると予測する。戦後、これほどの高失業率で大統領選に突入したケースはない。現職が敗北して再選を果たせなかったケースは1976年のフォード氏、80年のカーター氏、92年のブッシュ氏(父)の3例があるが、いずれも選挙時の失業率は7%台と雇用悪化が鮮明だった。

選挙を大きく左右する雇用を立て直すため、トランプ氏は各州に経済活動の再開を強く呼びかけている。激戦州のアリゾナ州は経済再開で先行し、失業率も4月の13.4%から5月は8.9%まで一気に改善した。

ただ、同州では逆に新型コロナの感染者が急増し、病床が不足するなど「医療崩壊」の懸念すら出てきた。トランプ氏の同州での支持率もバイデン氏に後れを取っており、雇用危機とコロナ危機の2つの封じ込めは容易ではない。

(河浪武史)

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