中国、カナダ人2人を起訴 スパイ罪で
【大連=渡辺伸】中国の検察当局は19日、元外交官のマイケル・コブリグ氏と、企業家のマイケル・スパバ氏をスパイ罪などで起訴したと発表した。2人はカナダ国籍で、それぞれ2018年12月に拘束されていた。

カナダの裁判所は同時期に逮捕した中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部の孟晩舟氏の米国への身柄引き渡しを巡る審理継続を決めており、カナダでは中国の報復との見方もある。

中国外務省の趙立堅副報道局長は19日の記者会見で「中国の司法機関は法律に基づき独立して案件を処理する」と説明した。カナダ人2人の起訴と、孟氏の審理継続との関連性を否定した格好だ。今後、両国間の溝が深まりそうだ。
北京市の検察当局がコブリグ氏を、遼寧省丹東市の検察がスパバ氏を起訴した。カナダメディアによると孟氏の逮捕以降、19年1月時点で13人のカナダ人が中国当局に拘束され、このうち少なくとも8人が解放された。
一方、カナダの裁判所は20年5月27日に「カナダでの犯罪行為に当たらない」とする孟氏側の主張を退け、米国への身柄の引き渡しに向けた審理を継続させた。米国は孟氏がイランとの違法な金融取引について銀行などに虚偽の説明をしたとして起訴し、カナダに身柄引き渡しを求めている。