米景況感、経済再開で急改善 GDP予想上振れも

2020/6/19 5:36 (2020/6/19 6:05更新)
保存
共有
印刷
その他

【ニューヨーク=後藤達也、大島有美子】新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ米景況感が急速に改善している。経済再開で生産や雇用が回復し始めたためだ。企業や家計の心理は4~5月に底入れし、今後の経済活動が活発になる可能性がある。経済成長率見通しを引き上げるエコノミストも増えている。

フィラデルフィア連邦準備銀行が18日発表した6月の製造業景況感指数は大幅に改善した。足元の業況を示す指数はプラス27.5と前月より70.6ポイント上昇。上昇幅は遡れる1968年以降で最大だ。5月に経済再開が各州で始まり、生産活動や供給網が回復している。半年後の見通しを聞いた指数もプラス66.3と28年ぶりの高い水準を記録した。

ニューヨーク連銀が15日発表した6月の製造業景況感指数も似た動きだ。ともに6月に企業に聞き取ったもので速報性が高い。前月と比べ受注や出荷などが「増えた」「変わらない」「減った」の3択で調査している。「増えた」といっても水準は新型コロナの流行前には戻っていない可能性が高いが、いずれも事前の市場予想を上回った。

消費者心理も持ち直している。ミシガン大の6月の消費者信頼感指数は78.9と5月より6.6ポイント改善した。100を超えていた2月に比べると依然として低いものの「雇用の増加を背景に持ち直している」(ミシガン大)。失業手当など強力な経済対策が支えているほか、経済再開でサービス消費も回復の兆しが出ている。

民間エコノミストは2020年4~6月期以降の実質国内総生産(GDP)の予想を見直している。JPモルガン・チェースは4~6月期の実質GDP予測でこれまでの前期比年率40%減から32%減に改めた。20年全体では前年比マイナス6.3%から同4.8%に引き上げた。

米国野村証券も前期比年率で4~6月期で49.3%減としていたのを39.6%減に、英キャピタル・エコノミクスは40%減から30%減にそれぞれ修正した。小売売上高など実際の経済活動も回復していることが背景だ。

ロイターが5月に集計したエコノミスト予想では4~6月期に年率35%のマイナス成長を記録した後、年後半から22年にかけ回復が続く。GDPの水準でみると21年10~12月には19年10~12月にほぼ並ぶ見通しだ。足元の見通し修正を踏まえれば、回復はさらに早まる可能性がある。

ただリスクも多い。早期に経済を再開したテキサス州やフロリダ州では6月に入り、新型コロナの感染が拡大している。経済再開をいったん停止する地域も出ている。

7月末には失業給付を通常より週600ドル積み増した特例措置が期限切れとなる。市場では失業者の再雇用の促進や収入補填のための追加施策が期待されている。だが、11月には大統領選も控えており、巨額の経済対策をいつまでも続けられるかは不透明だ。米国野村証券の雨宮愛知氏は「景気はもたつく公算が大きい」と話す。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]