地上イージス「計画停止」、米高官 日本と温度差

2020/6/19 1:17 (2020/6/19 5:57更新)
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米ハワイ州カウアイ島にある地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の米軍実験施設(2019年1月)=共同

米ハワイ州カウアイ島にある地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の米軍実験施設(2019年1月)=共同

【ワシントン=中村亮】へルビー米国防次官補代行(インド太平洋担当)は18日、日本政府が配備停止を決めた陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を巡り「前進に向けた最善策を見つけるため日本と技術的な問題を議論している」と語った。配備に向けた協議を続ける方針を示し、代替案の検討に入る日本との温度差をうかがわせた。

ヘルビー米国防次官補代行=国防総省提供

ヘルビー米国防次官補代行=国防総省提供

日本経済新聞など一部メディアとの電話インタビューで語った。へルビー氏は地上イージスに関する日本の決定をめぐり「現時点の議論は計画停止だ」と指摘し、撤回ではないとの見方を強調した。地上イージスについて「同盟関係や日本政府、とくに日本国民にとって有益な点がある」とも語った。日本が検討に入る具体的な代替策に関しては「仮説は設けたくない」と述べるにとどめた。

日本政府は地上イージスに関して想定よりも費用が膨らみ、配備にも時間がかかるため計画を停止した。米国は北朝鮮や中国に対抗するため日本の地上イージス配備を支持してきた。へルビー氏の発言には東アジアの安定に向けて地上イージスがなお有効だとの主張がにじみ、日本との立場の違いが浮かび上がった。

韓国に対する武力挑発を辞さない構えの北朝鮮については「我々はいかなる脅威や挑発行為に対しても警戒を緩めることはない」とけん制した。「必要に応じて北朝鮮の脅威に対抗し防衛するために韓国と緊密な同盟関係を築いてきた」とも強調した。北朝鮮は開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破するなど、南北関係の緊張が高まっている。

トランプ米大統領がドイツ駐留米軍の縮小を表明したことに関連し「我々は脅威や同盟上の義務と照らし合わせて米軍のグローバルな体制のあり方を不断に精査している」と述べた。在韓米軍の駐留経費負担をめぐる交渉がさらに長引いた場合に駐留部隊を縮小させる可能性があるかを問われたが、「将来の決定に関して仮説を設けたくない」と述べるにとどめた。

インド北部ラダック地方にある中国との係争地域で両国軍が衝突して多数の死者が出たことに関して「とても注視している」と語り、警戒感を示した。「長年にわたってこのような緊張状態はなかった」とも指摘した。一方で、双方が緊張緩和に向けた考えを表明しているとして事態の推移を見守る立場を示した。

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