大阪都構想の制度案決定 法定協で可決、住民投票へ

2020/6/19 2:00 (2020/6/19 18:51更新)
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大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の制度案が19日、大阪府・市の法定協議会(法定協)で、大阪維新の会などの賛成多数で可決された。今後、府・市両議会の議決を経て、2015年5月以来となる2度目の住民投票が11月にも実施される見通しだ。住民投票で可決されれば、大阪市は25年1月1日に4特別区に生まれ変わる。

19日の法定協では各党が改めて意見表明した後に採決した。会長を除いた委員19人のうち、都構想を推進する維新の10人(知事・市長を含む)と、19年5月に反対から方針転換した公明党の4人が賛成。同年12月の法定協で制度案の大枠に反対した自民党は意見が割れ、府議2人が賛成に回る一方で市議2人は反対した。共産党の1人は反対した。

松井一郎市長(維新代表)は可決後、2度目の住民投票に向け「間違いなく僕にとっては最後」と述べた。吉村洋文知事(維新代表代行)も「何とか階段を上ってここまで来た。否決になれば(再々挑戦する)胆力は生まれないだろう」と話した。

公明の肥後洋一朗府議は、11月の住民投票実施について「新型コロナウイルスの感染状況を見極める必要があるが、今の状況ならできるだろう」と述べた。

反対した自民党の川嶋広稔市議は「新型コロナの問題を考えると、こんなことをやっている場合ではない」と強調。共産党の山中智子市議は「大阪市廃止が市民にデメリットしかないことを強調していきたい」と語気を強めた。

制度案は、現在の市内24区を「淀川」「北」「中央」「天王寺」の4特別区に再編するとの内容。府と市が同じような仕事をする「二重行政」を解消するため、港湾事業など広域的な業務は府に移管・一元化し、特別区は子育て支援など住民に身近なサービスを担う。

今後、総務省と協議したうえで、府・市両議会の議決を経て11月1日に住民投票が実施される見通し。住民投票で可決され政令市が廃止されれば、1956年に制度ができてから初めてとなる。

ただ、新型コロナの感染が拡大すれば住民投票実施が難しくなる可能性もあり、松井氏らは7月と9月に、その時点の感染状況を見て実施できるか判断するとしている。

都構想は10年に大阪府知事だった橋下徹氏(維新前代表)が打ち出した。15年5月の住民投票で賛成69万4千票、反対70万5千票の僅差で否決され、橋下氏は政界引退を表明した。維新はいったん都構想を断念したが、同年11月の知事・市長のダブル選で「再挑戦」を掲げた松井氏と吉村洋文氏がそれぞれ当選し、議論が再開した。

その後、住民投票の再実施について水面下で合意していた維新と公明が実施時期などを巡って対立。議論は膠着状態となったが、松井氏と吉村氏が知事・市長の立場を入れ替えて立候補した19年4月のダブル選で大勝し、都構想反対だった公明は賛成に転じた。

公明は(1)地下鉄・バスの敬老パスや塾代助成などの住民サービスを低下させない(2)特別区設置のコストを最小限にする(3)現行の区役所の窓口機能を維持する(4)全特別区に児童相談所を設置する――を要望し、維新は制度案の見直しなどに応じた。

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