静岡工区、早期着工を リニア沿線自治体が要望
リニア中央新幹線の沿線9都府県でつくる建設促進期成同盟会は18日、未着工の静岡工区に早期着手するよう求める要望書を国土交通省やJR東海に提出したと発表した。静岡工区は工事に伴う大井川の流量減少対策を巡って静岡県とJR東海が対立し、着工が遅れている。国を交えた協議を通じ、事態を打開するよう求めた。
リニアは2027年に東京―名古屋間を先行開業する予定だが、大井川の環境保全を巡る静岡県とJR東海の協議が難航している。一部でトンネル工事に着手できておらず、27年の開業目標への影響が懸念される。
同盟会は要望書で、国やJR東海、静岡県など関係者が協議し未着工区間に早期着手するよう求めた。技術開発による大幅なコストダウン、駅周辺の再開発や交通網整備などへの支援も要請した。
愛知県によると、同盟会は5月28日、新型コロナウイルス感染の懸念があることから、実際には顔を合わせない書面開催という形式で総会を開いた。その際に決議した要望書を国と同社に郵送した。同盟会に静岡県は参加していない。
JR東海の金子慎社長は18日、「もっと早く、頑張ってくれという声は毎年いただく。それにできる限りこたえていこうという気持ちだ」と述べた。