衆院解散「時がくればちゅうちょなく」 首相会見

2020/6/18 16:40 (2020/6/18 19:29更新)
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安倍晋三首相は18日、首相官邸で記者会見を開いた。衆院解散・総選挙に関して「昨日、通常国会が終わったばかりで頭の片隅にもない」と述べた。「様々な課題に真正面から取り組む中で国民の信を問うべき時がくれば、ちゅうちょなく解散を断行する考えに変わりはない」とも語った。

■河井夫妻逮捕「大変遺憾」

記者会見の冒頭で前法相の河井克行容疑者と妻の案里容疑者が公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕されたことを陳謝した。

「大変遺憾だ。かつて法相に任命した者としてその責任を痛感している。国民の皆さんに深くおわび申し上げる」と述べた。「国民の厳しいまなざしをしっかり受け止め、国会議員は自ら襟を正さなければならない」とも強調した。

■「改憲、任期内に」

憲法改正に関する議論について「各党各会派の意見を伺いながら深化させたい」と述べた。「目の前の課題を先送りせず解決していく。これは私たち政治家の責任だ」と強調した。

「(2021年9月までの)総裁任期の間に憲法改正をなし遂げていく決意は変わらない」と明言した。党総裁4選や任期の延長は「全く考えていない」と述べた。

■「後継者は育つもの」

「ポスト安倍」を巡り「後継者は育てるものではなく、育ってくるものだ」との認識を示した。佐藤栄作政権の「三角大福中」の例を挙げて「ポストを生かしてチャンスをつかんできた」と指摘した。

「成果を地味に出す人もいれば、うまく発信している人もいる。それぞれが立場、立場でがんばってもらいたい。国のために全力を尽くす結果、そういう立場に立っていく」と訴えた。

■安保戦略「夏に新しい方向性」

首相は「安全保障戦略のありようについて今夏に国家安全保障会議(NSC)で徹底的に議論し新しい方向性を打ち出し、すみやかに実行に移していきたい」と言明した。

防衛大綱と中期防衛力整備計画(中期防)の見直しに関して「全く考えていない」と述べた。「国民の命と平和な暮らしを守るために何をなすべきか基本からしっかりと議論すべきだ」と話し、NSCで方向性を協議する意向を示した。

地上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画停止を巡り「わが国の防衛に空白を生むことはあってはならない。平和は人から与えられるものではなく我々自身の手で勝ち取るものだ」と話した。

北朝鮮との緊張が高まる韓国からの在外邦人退避を巡り「日米、日韓、日米韓でプランを協議していくことは重要だ。在外邦人の安全を確保するために様々なことに対応していかなければいけない」と指摘した。

■検査強化、2次感染防止に有効

新型コロナウイルスの感染者が東京の「夜の繁華街」で働く人の間で相次いだことに関して、PCR検査の強化によるものだと強調した。「二次感染を防止する上で有効だ」とも述べた。

クラスター(感染者集団)対策として、社会・経済活動の引き上げと感染防止を両立する上で必要だとの考えを示した。

新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性を通知するスマートフォン向けアプリを19日に配信すると明らかにした。「個人情報はまったく取得しない。多くの人にダウンロードしていただきたい」と話した。

■PCR検査「一層強化する」

19日に社会経済活動のレベルを「もう一段引き上げる」と表明した。「都道府県をまたぐ移動も全て自由になる。観光旅行も人との間隔を取ることに留意しながら出かけてもらいたい」と呼びかけた。

プロ野球やJリーグ、コンサートの再開などに触れ「感染予防策を講じながら社会経済活動を本格化してもらいたい。新たな日常を作り上げていく」と語った。

感染の有無を調べるPCR検査や抗原検査などの態勢について「一層強化していく」と強調した。

■ビジネス往来緩和、客観的な基準置かず

首相はビジネス目的に限定した往来緩和の対象国について「感染再拡大を防止する観点も踏まえながら、協議が整ったところから順次措置をとる」と表明した。「『日本はこういう基準ですよ』『クリアしたからどうぞ』ではない」として、客観的な基準を置くことには否定的な考えを示した。

出入国制限をめぐり「グローバル化が進化した世界になって現在の鎖国状態を続けることは、島国の貿易立国日本にとっては致命的だ」と述べた。感染状況が落ち着いている国を対象に、ビジネス上の往来が必要な国から段階的に解除する方針を示した。今後の往来再開に向け「とにかく検査能力の拡充が必要だ」とも話し、新たなPCRセンターの設置を検討すると表明した。

■五輪円滑実施へワクチン開発

首相は2021年夏の東京五輪・パラリンピックの開催に向け、新型コロナのワクチン開発を進めると訴えた。「円滑に実施するためにも我が国、世界の英知を結集して開発に取り組みたい」と語った。国際オリンピック委員会(IOC)理事会が示した簡素化などの方向性に関しては「原点に戻った大会にしようということだと理解した」と述べた。

■未来投資会議、メンバーを拡大

政府の未来投資会議について、メンバーを拡大した上で来月から議論を開始すると明らかにした。新型コロナの影響でテレワークが普及し、地方への転勤希望者が増加した背景などから「集中から分散へ日本列島のあり方を変えていく大きなきっかけだ」と強調した。「新しい日本の姿、ポストコロナの未来についてもしっかり描いていかなければならない」と語った。

■拉致問題解決「私の使命」

首相は横田めぐみさんの父、滋さんら日本人拉致被害者の家族が亡くなったことについて「痛恨の思いだ。大変責任を痛感している」と述べた。拉致問題に関し「今後も政権の最重要課題、私の使命として取り組んでいく」と語った。

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