スポティファイ、日本でユーチューバーの番組配信

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2020/6/18 13:00 (2020/6/18 15:34更新)
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スウェーデンの音楽配信サービスを手掛けるスポティファイ・テクノロジーは18日、ネットで独自の音声番組を配信すると発表した。10代から20代前半で子供の頃からネットを使う「Z世代」向けにユーチューバーの番組を配信する。

音楽配信スポティファイ・テクノロジーのロゴ=ロイター

20日から人気ユーチューバーのkemioさんが毎回ゲストとトークする番組を配信する。初回のゲストはHIKAKINさん。毎週30分程度のコンテンツを配信する。

スポティファイは世界でポッドキャスト事業を強化している。日本でも2019年にラジオ局と共同で制作した番組を独占配信したところ、ユーザー数が急増。独自の音声番組の配信を決めた。

ポッドキャストは特定の趣味の人が番組を聴くことも多く、広告のターゲットが明確で販促効果が高いとされる。スポティファイは独自番組の配信で利用者を伸ばし、広告収入を増やしていく。

ソフトウエア開発のフラー(千葉県柏市)のアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」によると、5月のスポティファイの月間ユーザー数は前年比80%増えた。利用者が在宅で働きながら聴く「ながら聴き」の影響もありそうだ。

日本では会社員や学生の在宅が続くなか、音声コンテンツの需要が高まっている。ラジオ番組をパソコンやスマートフォンで聴ける「radiko(ラジコ)」の利用者は4月で910万人と2月と比べ21%増え、利用時間も26%伸びた。

海外は日本に比べ、音声コンテンツが市民権を得ている。米国ではポッドキャストを月に1回以上利用する人は3割を占める。トーク番組以外にもニュースの読み上げや音声ドラマも人気。中国では音声配信アプリ「喜馬拉雅(シマラヤ)FM」が若者に人気で6億以上のダウンロード数だ。

動画投稿で収入を得る「ユーチューバー」のように音声配信で収入を得る「ポッドキャスター」もいる。スポティファイは5月、人気の高いポッドキャストの番組を持つコメディアンのジョー・ローガンさんと約1億ドル(約107億円)で契約した。

音声コンテンツ市場における日本の出遅れは、広告の規模に表れている。世界の大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)によると、世界のデジタル音声広告市場(音楽配信含む)は19年で前年比21%増の27億ドル(約2897億円)。一方、調査会社のデジタルインファクト(東京・文京)は19年の日本の市場規模を7億円とみる。

米国などではサービス開発の裏話などをポッドキャストで配信する企業があり、ポッドキャストを使う政治家もいる。エンタメ分野だけでなく「企業のPR配信などを含めたコンテンツが増えていくかどうかが日本の市場拡大を左右する」(デロイトトーマツグループの清水武氏)との指摘がある。

(藤生貴子)

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