「トランプ氏、国益より再選」 ボルトン氏暴露本

米大統領選
2020/6/18 8:02 (2020/6/19 5:27更新)
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【ワシントン=中村亮】ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)は近く出版する本でトランプ大統領が中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席らと交わした会話を暴露し、国益より再選を優先していると批判した。中国への選挙支援の要請やトルコの問題を巡って司法介入を示唆する発言などは11月の大統領選の火種になりかねない。

あなたは過去300年で最も偉大な中国の指導者だ!

2019年6月の米中首脳会談で習氏が中国による農産品購入を優先テーマとして貿易交渉の再開に同意するとトランプ氏は大絶賛した。「中国史で最も偉大な指導者だ」とも持ち上げ、中国が農産品購入を増やせば大統領再選に追い風だとの見解を示した。外交政策を悪用し、連邦法が禁じる外国勢力による選挙支援を求めたと受け取られかねない。

民主党のエリオット・エンゲル下院外交委員長は17日の声明で「トランプ氏が習氏に選挙支援を求めたとすれば、それに関する情報を米国民は知るべきだ」として、議会調査権を使って疑惑調査に乗り出す可能性を示唆した。これに対し、首脳会談に同席していた米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は習氏に選挙支援を求めたとの見方に関して「事実無根」と主張している。

ウイグル族の収容施設の建設は正しい

19年6月の首脳会談では、新疆ウイグル自治区で建設しているウイグル族などを対象とした収容施設の正当性を主張する習氏に対し、トランプ氏は「施設の建設を進めて良い」と応じた。トランプ政権はこれまでウイグル族が不当に拘束されていると非難し、早期解放を中国に求めてきた。トランプ氏はこれとは正反対の主張をしていたことになる。

トランプ氏は17日、米紙のインタビューでウイグル族の収容施設の建設を容認したとの指摘は「事実ではない」と主張した。「ボルトン氏は嘘つきだ」と否定した。

米大統領の2期8年の任期を廃止すべきだとの声がある

18年12月の米中首脳会談。トランプ氏の再選を念頭に「さらに6年間ともに働きたい」と呼びかけた習氏に対し、トランプ氏は米大統領の任期制度について言及し、3期目に意欲を示すような発言をした。習氏が「米国は選挙が多すぎる」と指摘すると、トランプ氏は満足げにうなずいたという。中国は同年3月に国家主席の任期を廃止している。習氏が自らの3期目を前提にした発言が公になったのも初めてだ。

検察が私の味方に変われば捜査は終わる

トルコのエルドアン大統領との18年12月の会談。エルドアン氏は米検察の捜査を受けるトルコ企業が無実だとのメモをトランプ氏に渡した。トランプ氏は「私がこの問題に対応する」「検察はオバマ(前大統領)に近い人たちだ。私の味方に変われば問題は解決する」と述べ、司法介入を示唆した。

英国も核保有国なの?

トランプ氏は側近に対して「フィンランドはロシアの一部ではないのか」と質問。英国のメイ前首相との会話で「英国は核保有国」との言及があるとトランプ氏は話を遮って、「えっ、英国も核保有国なの?」と尋ねた。ボルトン氏は「あれは冗談の質問ではなかった」と回顧している。

トランプ氏の側近であるポンペオ国務長官もトランプ氏に批判的な発言をしていたという。18年にシンガポールで開いた史上初の米朝首脳会談の最中にポンペオ氏はトランプ氏の発言に関して「でたらめばかりだ」と記したメモをボルトン氏に渡した。北朝鮮の非核化を目指す米国の外交について「成功確率はゼロだ」と断じたこともあったという。

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