米、デジタル税の交渉打ち切り 欧州に課税撤回要求

2020/6/18 6:08
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米議会で証言するライトハイザー米通商代表部(USTR)代表(17日、ワシントン)=AP

米議会で証言するライトハイザー米通商代表部(USTR)代表(17日、ワシントン)=AP

トランプ米政権は17日、英国やフランスなど欧州勢に対し、各国が導入する「デジタルサービス税」をめぐる国際交渉を打ち切ると伝達したと明らかにした。欧州各国にデジタル税の課税撤回を強硬に求めたもので、報復関税を発動する可能性もある。経済協力開発機構(OECD)による国際課税のルールづくりも停滞が避けられない。

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が17日の米下院公聴会で証言した。主要国はデジタル課税をめぐり、ITサービスの消費地に税収を分配する国際課税ルールを検討している。ライトハイザー氏は「現時点で交渉は行き詰まっており、ムニューシン米財務長官は欧州勢に『交渉から離脱する』と伝えている」と話した。

トランプ米政権は英国、フランス、イタリア、スペインの欧州4カ国のデジタルサービス税について「米企業を狙い撃ちした不当な措置」と反発。USTRはブラジルやインドなどデジタル税を検討する新興国も含め、報復関税の発動を視野に実態調査を進めている。ライトハイザー氏は17日の公聴会でも「米産業界への不公正な措置を許してはならない」と強調した。

欧州を中心に各国が独自のデジタル課税に動くのは、米国の強硬姿勢で国際ルールづくりが進まないためだ。OECDは1月末、巨大グローバル企業への課税強化案をまとめたが、米国は「現行ルールと新ルールのどちらかを企業が選択できる」という独自案を提案。日欧や新興国は「骨抜き」と一斉に反発し、国際合意は遅れている。

巨大IT企業は知的財産権を低税率国に置き、営業所や工場などがない消費地で課税を回避してきた。節税規模は世界で1000億~2400億ドルに達するともされ、欧州を中心に不満が強い。そのため英国やフランスは各国に先駆けて独自のデジタル課税を導入し、アップルなど巨大IT企業が集中する米国の反発を招く悪循環になっている。

米欧の対立が深まれば、20年中の合意をめざすOECDの国際ルールづくりも実現が遠のく。ライトハイザー氏は17日の公聴会で「交渉の余地はあり、アイデアもある」とも述べており、交渉撤退や関税発動を振りかざしながら、欧州勢に課税の撤回を促す交渉姿勢を貫いている。

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