中銀デジタル通貨、FRB議長が「真剣に研究する」
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米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は17日の米下院委員会で、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)を「真剣に研究していく案件の1つだ」と述べた。FRBはドルのデジタル化に慎重な姿勢だったが、同氏は「世界の基軸通貨としての地位を保つ必要がある」と強調した。
パウエル氏は前日の上院に続き、下院金融サービス委員会で半期ごとの議会証言に臨んだ。CBDCは欧州中央銀行(ECB)や日銀が共同研究を開始している。パウエル氏も「デジタル通貨は、我々が最も先端で、最も深く理解しなければいけない」と述べ、FRBとして「デジタルドル」の独自研究を進める考えを強調した。
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FRBはこれまで、CBDCはサイバー攻撃などのリスクが大きいとして、独自発行に極めて慎重だった。ただ、中国が「デジタル人民元」の実証実験を進めるなど、技術の変化が加速。パウエル氏は17日の議会証言で「ドルは(各国が保有する)準備通貨であり続ける必要がある」と強調し、各国への対抗姿勢を鮮明にした。
米ドルは各国が貿易決済などに使う世界の基軸通貨で、パウエル氏も16日の上院委で「ドルは基軸通貨なので、米国は多大な借り入れ能力がある」と、その利点を主張していた。ただ、トランプ米政権はドルを使って各国に経済制裁を仕掛ける動きを強めており、中国などは「脱ドル」を模索し始めている。
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