インドネシア、再び東南ア最多に コロナ感染4万1431人

2020/6/17 21:40
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【ジャカルタ=地曳航也】インドネシア政府は17日夕、新型コロナウイルスの感染者が前日比で1031人増え4万1431人になったと発表した。シンガポールの4万1216人(同日夕時点)を抜き、再び東南アジアで最多となった。死者は2276人で、同じく東南アジアで最も多い。

ジャカルタ特別州では外出時にマスクの着用が義務付けられる(8日)=ロイター

経済を優先し大規模な行動制限を緩和する動きがインドネシア各州で広がっており、感染がさらに増える懸念がある。

インドネシアの新規感染者は6月第2週から一日千人を超えるなど急増した。政府は5月下旬にイスラム教の断食月(ラマダン)明けの大祭(レバラン)が始まって人の移動が増えた時期に感染した例が数字に表れたと分析する。ジョコ大統領は慣例のレバランに合わせた地元帰省を禁止したが、完全に封じ込められなかったとみられる。

地域で感染者が増えているのが首都ジャカルタに次ぐ第2の都市のスラバヤがある東ジャワ州だ。地元メディアによると、大規模な行動制限をめぐり、前向きな州知事と消極的なスラバヤ市長が対立して行政現場が混乱し、十分な対応ができなかったことが感染の増加を招いた一因という。

ジャカルタ特別州や東ジャワ州は6月に入り大規模な行動制限を緩和した。インドネシア商工会議所によると、解雇や自宅待機で失業状態に陥っている人は640万人いるとみられ、経済を優先した面は否めない。

各州政府はモスクや営業施設など人の集まりやすい場所でも定員の半分以下に収容を抑えるなどの条件で通常の運営を認めた。地元メディアは通勤時の駅などで人が密集する場面を報じている。

国立アイルランガ大学のラウラ・ナビカ・ヤマニ教授(疫学)は「専門家の間では第1波さえ起こっていないとのコンセンサスがある。まだピークに向かっている段階だ」と強調する。各州政府の行動制限の緩和は拙速だとの認識を示した。

実際の感染者数はもっと多いとの見方がある。同国のPCR検査件数は千人あたり1.2人で、英オックスフォード大研究者らのデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」によると、世界で最低レベルだ。政府は現在の一日1万数千件から一日2万件の検査体制をめざしている。

インドネシアの感染者数は4月17日時点で当時最も多かったフィリピンを上回り、東南アジアで最多となった。その後、外国人の出稼ぎ労働者間で感染が拡大したシンガポールがインドネシアより多くなっていた。

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