龍をのむ 詩人 四元康祐

エッセー
2020/6/26 14:00
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日本経済新聞 電子版
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三四年ぶりに日本に居を戻して、三ケ月が経とうとしている。新しい暮らしに慣れるにつれて、ヨーロッパのことを思い出す頻度も増してゆく。懐かしがる訳ではない。変哲もない街角の光景が、稲妻のように前触れもなく現れて、眼前の日本に重なるだけだ。

マックス・ウェーバー広場からイザール川畔へ降りてゆく坂の小道。市民プール(フォルクスバード)の壁を覆う派手な落書き。その下の雑草の、まだらな生え具合……。そこに人…

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