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観察対象広げコロナ感染抑制 名古屋モデルの効果検証

新型コロナウイルスの「第2波」に備え、名古屋市がこれまでの対応の検証を進めている。市内では早い段階で複数のクラスター(感染者集団)が発生。その際の経験を基に、国の指針より広範囲で患者の行動歴や健康観察対象者を調べて感染を抑えこんだ経緯などを、「名古屋リポート」としてまとめる予定だ。

「国から『名古屋モデル』として評価されている。今後のために内容をまとめたい」。名古屋市の河村たかし市長は1日の記者会見で、市の取り組みに胸を張った。

市の感染者は16日時点で約280人と愛知県全体の半数以上を占める。同市を含む愛知の人口100万人当たりの感染者数は67.93人。大都市圏では低水準で最多の東京都の2割以下だ。6月以降の同市の1日当たりの新規感染者はゼロ~数人程度で、現段階では大規模な感染拡大を抑えこんでいると言えそうだ。

カギとなったのは、国内の感染者がまだ少なかった2~3月にかけて市内でスポーツジム利用者など複数のクラスターが発生し、その対応で得た経験だ。

一つは発熱などの症状が出る2日前に接触歴があった人に感染が広がっていた点だ。当時の国の指針では患者の行動歴の調査範囲は発症日が起点だったが、市は独自に発症2日前に前倒しした。もう一つは物理的な距離だ。健康観察の当時の国の指針は患者と約2メートル以内で接触があった人が対象。市は「聞き取り調査で2メートル以内にいたかどうか記憶が曖昧なことがあった」(担当者)とし、距離に関係なく同じ空間にいた人まで広げた。

この結果、3月上旬には観察対象が一時千人を超えた。現在も入院患者7人に対し対象は約130人で、市の浅井清文医監は「幅広く網をかけている分、他自治体より多いだろう」とする。早期に感染者を突き止め自宅待機などで隔離し、感染抑制につなげたわけだ。

一連の対応で浮上した課題も多い。今回、感染が疑われる人には医療機関への移動の際に公共交通機関の利用を控えてもらい、自家用車のない人は市職員が専用車で送迎した。ただ車両は1台のみ。搬送のたびに車内を消毒するため1日に3人を運ぶのが限界という。

市内の病院の受け入れ態勢が整わず、市外の遠方の病院への搬送を余儀なくされる例もあった。浅井医監は「患者が少なかったため乗り切れた。できるだけ市内の病院で受け入れられるよう、搬送手段や受け入れ機関のさらなる拡大に努めたい」と気を引き締める。

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