孫氏、米通信「出口戦略」探る Tモバイル株売却検討

2020/6/16 21:12
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ソフトバンクグループ(SBG)が24%保有する米通信大手TモバイルUS株を現金化する検討に入った。株式売却を制限する条項があるため、筆頭株主のドイツテレコムなどと詳細を詰める。実現すれば、SBGが掲げる4.5兆円の資金調達がさらに進みそうだ。

孫氏はTモバイル株の現金化を検討する(写真は2月のSBG決算発表)

TモバイルはSBGの連結子会社だった旧スプリントと4月に合併。TモバイルはSBGの持ち分法適用会社になった。孫正義会長兼社長はかつて米国の通信事業を「グループの欠かせないインフラ」などと評価したが、「ビジョン・ファンド」に注力するなか、現在はTモバイルを中核事業ではなく投資先の一つと位置付けている。今後の成長性を見極めながら段階的に売却するなど、最適な出口戦略を探る。

SBGは約3億株のTモバイル株を保有し、4月1日時点の連結簿価は約2兆7千億円。直近の終値で計算すると約3兆4千億円になる。Tモバイル株の売却額は未定だが、米報道では200億ドル(約2兆円)規模になるとの見方もある。

SBGは自社株買いと負債削減のため、総額4.5兆円の資産売却計画を進めている。5月に中国・アリババ集団株の活用による資金調達を公表。国内通信子会社ソフトバンク株を一部売却することも発表した。計1兆5千億円の調達を発表しており、残る3兆円についても準備を進めていた。Tモバイル株をすべて現金化できれば、計算上は計4兆5千億円の目標に届く可能性が高い。

Tモバイルに43%出資するドイツテレコムなどとの協議次第では、今回の取引が実施されない可能性もあるという。Tモバイルと旧スプリントが合併した際に、SBGのTモバイル株売却を制限する「ロックアップ」などがあるためだ。

本来であればSBGは1年目はTモバイル株を売却できず、2年目以降は一定の比率以下ならドイツテレコムに売却することができる。同社との協議次第では、SBGはこのロックアップを解除でき、Tモバイル株を早期に現金化できるとみているようだ。

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