東京・千代田区議会、石川区長を尋問 区長は疑惑否定
東京都千代田区議会は16日、建物の容積率を緩和する区の制度の運用と、石川雅己区長が家族と購入した区内マンションの関係などを調査するため「百条委員会」を開き、石川氏を証人尋問した。マンション販売会社に便宜を図った見返りに有利な条件で物件を購入したのではないかと問いただした。石川氏は「購入に関わったことはない」などと否定した。

石川氏が家族と共同で購入したのは通常は一般販売されない「事業協力者住戸」と呼ばれる部屋で、地権者などに優先して割り当てられることが多い。このマンションは容積率を緩和する区の総合設計制度の許可を受けている。石川氏と家族は1億円強で購入した。
販売会社が百条委に提出した売買契約前の2016年1月9日のマンション価格表では購入した部屋には事業協力者住戸と記載されている。一方、石川氏が委員会後、報道陣に示した家族から得たという同日付の価格表には記載がなかった。購入時に抽選はなかったという。石川氏は尋問で「(20年3月の)報道で事業協力者住戸と初めて知った」と述べた。
百条委は今後、購入を担ったという石川氏の家族を証人尋問する方針だ。
百条委は地方自治法100条に基づき、自治体の事務に不正の疑いが生じた場合などに開かれる。関係者の出頭や証言などを要請でき、関係者は正当な理由なく拒むと禁錮や罰金が科される。同区議会は調査権限を付与した企画総務委員会を百条委として開催した。