香港、集会制限を継続 実質デモ制限 人数は緩和
【香港=木原雄士】香港政府は16日、新型コロナウイルス対策で実施中の集会規制を19日以降も続けると発表した。公の場で集まれる人数は現行の8人から50人に増やすものの、大規模な集会は禁止する。香港では感染は収束しつつあり、コロナを名目に抗議活動を封じる狙いとの見方が出ている。

香港政府の陳肇始・食物衛生局長は記者会見で「公衆衛生を考慮したもので、政治的な決定ではない」と述べた。新たな規制は7月2日まで適用する。民主派団体は中国への返還記念日の7月1日に大規模デモを呼びかけている。香港警察は集会規制を根拠にデモを認めない公算が大きい。
香港政府は3月末に5人以上の集まりを禁止した。5月に禁止対象を「9人以上」に緩めたものの、大規模なデモは難しい状況だ。毎年実施していた6月4日の天安門事件の追悼集会も違法になった。香港ディズニーランドが18日から営業再開を決めるなど、ビジネスや日常生活は通常モードに戻りつつある。