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日本の競争力34位、過去最低に 香港も後退

IMD調べ

(更新)
シンガポールでは配車アプリを手がける「グラブ」など多くの有力スタートアップが活躍している=ロイター

【ジュネーブ=細川倫太郎】スイスの有力ビジネススクールIMDが16日発表した2020年版世界競争力ランキングで、中国の統制強化に揺れる香港が5位となり、19年の2位から後退した。通商問題を中心に対立する米中も順位を落とし、日本は34位と過去最低を更新した。

調査対象は63カ国・地域。各国政府や世界銀行の統計データと、経営者へのアンケート調査を基に算出した。

1位は2年連続でシンガポール。健全な財政や雇用、企業の高い生産性などが評価されている。米中貿易戦争の影響で、米国は前年の3位から10位に後退した。中国も20位へと6つ順位を落とした。

香港は反体制活動を禁じる国家安全法の制定方針など「一国二制度」の形骸化に直面する。19年に大規模、長期化した反政府デモの影響で、中国本土やそれ以外からの観光客も激減した。

高額なブランド品の販売やホテル業界などの景況は急速に悪化した。トランプ米政権は香港に提供してきた関税や渡航面の優遇措置を見直す構えで、世界から多くの富裕層や投資家をひきつけてきたアジアの金融センターとしての地位が危うくなっている。

日本は4つ順位を下げた。特に「ビジネスの効率性」を巡る評価が低く、起業環境や国際経験は分野別で最下位と厳しい。日本の新規開業率は5%程度と、10%を超える欧米諸国に比べると見劣りする。IMDのチーフエコノミスト、クリストス・カボリス氏は「日本は厳しい規制や高い法人税が起業を難しくし、外国からの投資も呼び込みにくくしている」と問題点を指摘する。

携帯ネット契約(1位)や環境技術関連(2位)といったインフラ面が強みとして評価された一方で、デジタル技術は62位に沈んだ。日本は新型コロナウイルスの対策で感染経路の調査は電話で聞き取り、給付金のネット申請でも障害が頻発するなどデジタル化の遅れを露呈した。

新型コロナは企業活動に大きな打撃をもたらし、一般市民の働き方や消費など生活様式も大きく変えた。一方、米中貿易戦争や地球温暖化など従来の課題も残ったままだ。カボリス氏は危機を克服できる経済の弾力性、政府・個人の適応力、充実した医療保健システムの3つが国家の競争力の決め手になると指摘している。

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