ウォルマートとShopify、Amazon対抗で新旧タッグ

2020/6/16 22:00
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米ウォルマートのネット売上高は2~4月に74%伸びた=AP

米ウォルマートのネット売上高は2~4月に74%伸びた=AP

【ニューヨーク=中山修志】米ウォルマートは15日、カナダの電子商取引(EC)プラットフォームのショッピファイと業務提携したと発表した。ウォルマートのECサイトでショッピファイを使う中小企業の商品も販売できるようにし、品ぞろえを広げる。ECでは米アマゾン・ドット・コムが独り勝ちを続けるが、競合の追い上げが始まっている。

ショッピファイは2004年創業の新興企業で、通販サイトの作成や配送・決済の支援を手掛ける。サービスは月額29ドル(約3100円)からの定額制で、販売手数料がかからない手軽さから中小企業の人気を集めた。

世界175カ国の100万社以上が利用しており日本ではシャツ製造のメーカーズシャツ鎌倉(神奈川県鎌倉市)などが同社のユーザー事業者だ。企業の自前のECを裏で多数支えていることから、業界では「アマゾン・キラー」とも呼ばれる。

提携で、ウォルマートは自社のECサイトの出品者にショッピファイのユーザー事業者を加えることができる。出品費用はゼロで、売れた分だけ手数料を得る。同社が手薄なデザイン雑貨や高級衣料など、多彩な中小企業の製品を使って品ぞろえを拡充できる。

ショッピファイには月間1億2000万人が閲覧するウォルマートの通販サイトの集客力をユーザー事業者が使える利点がある。事業者の売り上げが伸びれば毎月の利用料収入も安定する。第1弾として年内に1200社をウォルマートのサイトにつなぐ計画だ。日本国内の事業者の活用は今回の提携には含まれない。

ウォルマートはここ数年、アマゾン対抗を念頭にEC分野でM&A(合併・買収)を加速してきた。16年に米ジェット・ドット・コムを33億ドルで買収し、18年にはインドの最大手フリップカートを傘下に収めた。

ショッピファイは19年12月期の売上高が約15億ドルとウォルマートの300分の1以下だが、時価総額は900億ドル超と3割近くまで迫っている。新型コロナウイルス問題でEC対応を急ぐ企業が相次ぎ、3月中旬から4月下旬にかけての新規サイトの開設件数は、直前の6週間と比べて62%増えた。市場はウォルマートとの相乗効果は高いと見ており、15日の米株式市場でショッピファイの株価は前日比8%上昇した。

コロナの影響で在宅消費の習慣が定着し、EC市場はさらなる成長が期待される。19年の米ネット通販市場ではアマゾンはシェア4割を占めたとされるが、コロナ危機後はウォルマートもEC事業を伸ばし、巻き返しの姿勢を強めている。デジタル対応の巧拙が企業の競争力を左右し始めている。

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