/

LGBT差別は違法判断、トランプ氏の再選戦略に難題

【ワシントン=鳳山太成】米連邦最高裁は15日、職場でのLGBT(性的少数者)差別が違法だとの判断を示した。トランプ政権は保守的な支持層を意識し、性的少数者の権利保護を否定する政策を進めてきた。11月の選挙で再選を目指すトランプ大統領は新たな難題を抱えた。

最高裁は、同性愛者やトランスジェンダー(出生時の性と自身が認識する性が一致しない人)を理由に解雇することが、性差別などを禁じた1964年成立の公民権法の違反にあたると解釈した。LGBTを理由にした解雇は保守的な約半数の州で合法だが、今後は連邦単位で違法となる。

最高裁判事は現在、保守派5人、リベラル派4人で構成する。ロバーツ長官とトランプ氏が指名したゴーサッチ判事の保守派2人がリベラル派に加わり、6対3で違法判断を支持した。

トランプ氏は2人の保守派判事を送り込み、最高裁の保守化を進めてきた。リベラルな判断が下ったことに人権団体や野党・民主党、企業からは驚きと同時に「歴史的な日だ」(自動車大手ゼネラル・モーターズ)などと歓迎する声が上がった。LGBTの権利保護を巡る米国の司法判断では、2015年の同性婚の合法化に続く画期的な事例となる。

連邦最高裁はLGBTへの職場差別は違法と判断した(ワシントン)=ロイター

トランプ氏は15日、最高裁判断を「受け入れる。とても強力な決定だ」と述べた。トランプ政権はトランスジェンダーの米軍入隊を禁じたり患者の権利を保護する規則を廃止したりするなど宗教保守層を意識してきた。これまで「公民権法の規定は性的少数者に及ばない」などと主張していた。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は「最高裁判断が大統領選でトランプ氏が直面する大きな難題を明確にした」と指摘する。同氏は16年の選挙で同性婚に反対しながら、同性愛者にも秋波を送るなど曖昧な戦略をとった。

5月中旬の世論調査では、性的指向による解雇は「違法にすべきだ」と答えた割合は83%。民主党支持者が90%、共和党が74%と若干の開きがあるものの国民の理解が進んでいる。

民主党の大統領候補に内定したバイデン前副大統領は最高裁判断について「重要な一歩だ」と歓迎する声明を出した。性的少数者を巡る政策に関心が高まるなか、トランプ氏、バイデン氏のいずれも過去の実績や言動が有権者に問われる。

米大統領選

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン