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バレー石川、伊・中堅クラブへ 成長に確かな手応え

2020/6/19 3:00
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「世界のトッププレーヤーになる」と公言し、バレーボール男子で世界最高峰のイタリアリーグに挑戦する石川祐希(24)がまた一つ階段を登った。このほど2019~20年シーズンで5位だった中堅チーム、ミラノへの移籍が決定。成長を求めて大学1年の時から同国で腕を磨く日本のエースには「ここまではイメージ通りにステップアップできている」と確かな手応えがある。

移籍先決定を受けたオンライン会見でポーズを取る石川(グッドオンユー提供)

移籍先決定を受けたオンライン会見でポーズを取る石川(グッドオンユー提供)

「試合に出られない可能性も出てくるが、目標に近づくには避けて通れない道。(移籍のたびに)上位チームに進めているので、自信を持って進みたい」。ミラノ移籍決定を受けた11日のオンライン記者会見。石川はいつものように冷静に、かつはっきりとした口調で抱負を語った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で途中終了となった19~20年シーズンはパドバに所属して7位。状態を上げて臨もうとしていたプレーオフは開催されなかったが、持ち味の鋭いサーブや守備でも貢献できる万能性を見込んで声をかけたのが、2季続けて5位のミラノだった。

チームを率いるピアッツァ監督は「チームの勝利に役割を果たせると評価している。これまで通り高いパフォーマンスを期待すると同時に、チームのシステム改善のために力を発揮しなければならない」などとコメント。来季のスケジュールが発表され、ミラノが練習を開始するタイミングで現地に合流する予定だ。

「パドバ以上の成績を残しているチームに行きたいと(移籍先を)絞っていた」と明かした石川。強気な姿勢の背景には、14~15年シーズンの強豪モデナへの留学を皮切りに同国で着実に足場を固めてきた自負がある。「パフォーマンスは年々上がり、評価してもらっている。チームメートとのコミュニケーションも今まで以上に取れてきた」。語学力や適応力も磨かれ、万全の体調で臨めたシエナやパドバでは主力として活躍した。

ただ、欧州サッカーなどと同様、イタリアのバレー界も強豪と中堅以下の差は歴然としている。真価を問われるのはここからだ。近年上位を独占しているのはルーベ・チヴィタノーヴァ、モデナ、ペルージャ、トレンティーノの4強。19~20年シーズンも5位以下を勝ち点で大きく引き離しており、ルーベは昨年12月にクラブチーム世界一にも輝いた。

■将来はトップクラブで先発を

「世界のトッププレーヤー」の仲間入りとは、この4チームで先発出場することだと石川は語る。「(世界大会の)メダリストをはじめ、各国の代表選手のスタメンが多い。勝負するにはまだ技術でも、名前でも負けている」。素直に現在地を認めつつ、「あと2、3年、早ければ来シーズンに声をかけてもらえるよう頑張りたい」と青写真を描く。

これまで以上に高い壁を越えられるか。身長192センチはアウトサイドヒッターとして決して高くない。サーブのほか、スパイクを打つ際にタイミングをずらしたり、コースをついたりして存在感を示してきた。ミラノでの具体的な役割はまだ話し合っていないが、カギは守備にあるとみる。「(ミラノから他チームに抜けた)同じポジションの選手は守備が良かった。攻撃か守備のどちらかが良いだけではダメ。監督が求めていることをしっかりこなせる選手はどこでも通用するはず」

パドバの主力としてプレーした2019~20年シーズンは「成長を感じていた」というが、リーグ戦は3月に中断して4月に打ち切られた(グッドオンユー提供)

パドバの主力としてプレーした2019~20年シーズンは「成長を感じていた」というが、リーグ戦は3月に中断して4月に打ち切られた(グッドオンユー提供)

19歳で初めて足を踏み入れたイタリア1部リーグ。モデナへの留学時代の光景が今も目に焼き付いているという。出場機会には恵まれなかったが、チームがカップ戦を制した瞬間をベンチで目の当たりにした。同じポジションのフランス人選手が躍動してMVPに選ばれ、チームカラーの黄色いシャツをまとったファンが大歓声を上げる。「その盛り上がりを見て僕も同じようになりたいと思った。(イタリアで挑戦する)きっかけになった」

それから5年余。どこか憧れに近かった強豪への切符を、自力でつかみ取れる所まで駆け上がってきた。「(上位チームほど)練習の雰囲気や選手のメンタル、モチベーションが違う。ミラノでもさらにそういうことが感じられると思うので、成長につなげたい」と意気込む。

これまでは自宅でトレーニングを続け、6月から約3カ月ぶりにボールを使った練習を再開した。新型コロナの行方を見つつ、しばらくは国内で調整を続けることになりそうだ。「ウエートトレーニングは自宅でしていたので、やれと言われればできるけど、ケガをしないようにベストに戻すには2カ月ほどかかるかな」。来夏の東京五輪へと続く意味でもこれまで以上に重要なシーズン。厳しい環境下でも焦ることなく、今は長丁場を戦いきるための土台を固めようとしている。

(鱸正人)

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