トランプ氏「駐独米軍を3割削減」 負担不足に不満

2020/6/16 6:59 (2020/6/16 9:56更新)
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15日、トランプ米大統領はドイツがロシア産ガスを大量購入することも改めて批判した(ワシントン)=AP

15日、トランプ米大統領はドイツがロシア産ガスを大量購入することも改めて批判した(ワシントン)=AP

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は15日、米軍のドイツ駐留規模を3割減らす計画を明らかにした。北大西洋条約機構(NATO)の軍事費の支出目標をあげて「ドイツが義務を履行していない」と理由を説明した。欧州諸国が反発し、米欧同盟の溝が一段と広がる公算が大きい。

トランプ氏がホワイトハウスで記者団に対し、NATO加盟国が軍事費を国内総生産(GDP)比の2%に増やす目標に関し、ドイツが達していないと指摘。「ドイツが支払うまで米兵を大幅に減らす」と表明した。国防総省によるとドイツには3月末時点で3万4674人が駐留しているが、これを2万5000人に減らす見通しだ。

トランプ氏は削減の実施時期は明らかにしなかった。部隊をドイツから米国本土に戻すのか、欧州内で再配置するのかにも言及していない。こうした詳細が示されずに駐留部隊の削減だけが先行するのは異例だ。17~18日にはNATO国防相理事会が予定されており、米軍縮小が議論になる見通し。

駐独米軍をめぐっては複数の米メディアが6月上旬にトランプ氏が削減を指示したと報道。独政府や議会が強く反発した経緯があり、米独で綿密に計画を擦り合わせた形跡は乏しい。トランプ氏が率いる米与党・共和党内からもロシアにつけいる隙を与えるとして削減に反対する意見が相次ぎ、トランプ氏の意向に注目が集まっていた。

欧州米軍を巡ってはブッシュ(子)政権、オバマ政権もそれぞれ削減する方針を打ち出してきた。だがオバマ政権ではロシアが2014年にウクライナ領クリミア半島に侵攻したことを受け、欧州へ一時的に米軍を派遣するローテーションという形式で、対ロ抑止力の強化を図ってきた。

「米国第一」を掲げるトランプ氏は同盟国からも米軍の撤収・縮小を進める考えを示してきたが、計画が具体化するのは今回が初めてとみられる。韓国は在韓米軍の駐留経費をめぐる交渉が長期化し、日本も在日米軍の負担についての交渉がこれから本格化する。負担不足を理由にした独駐留の縮小は日韓との交渉に向けても強い圧力になりそうだ。

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