神奈川県内自治体、避難所運営を見直し 密集避ける

2020/6/15 17:00
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新型コロナウイルス感染拡大の第2波が懸念されるなか、神奈川県内の自治体が「3密」になりがちな避難所の運営を見直している。避難所で避難者同士の距離を確保するほか、知人宅など避難所以外の安全な場所への避難を呼び掛ける。集中豪雨や台風などが発生しやすい時期となり、対策を急いでいる。

感染予防のために間仕切りカーテンを導入する自治体もある(県立武道館)

感染予防のために間仕切りカーテンを導入する自治体もある(県立武道館)

「自宅でとどまれる方は無理に避難せず、自宅の安全な場所に避難してください」。伊勢原市は4月中旬、大雨で河川氾濫の恐れが出て避難所を開設した際、防災メールでこう呼び掛けた。当時は緊急事態宣言のまっただ中。浸水や土砂災害などの危険がない人は自宅で待機してほしいという要請だ。

後日、「自宅が避難すべき場所かわからなかった」という不安が市に寄せられた。伊勢原市は「避難できる知人の家やマンションの上層階などを把握しておくことも大事だ」(企画部)とする。避難所では人と人との間隔を確保するため、カーテン式の間仕切りを4月に導入した。

2019年の台風19号で8人が亡くなった相模原市は、風水害時の避難場所を現在の53カ所から拡大する。10カ所程度が追加候補に挙がっているという。避難先を分散することで人の密集を避ける狙いだ。住民から「もう少し自宅近くの場所にほしい」との声も出ていた。

避難所に指定している学校ではこれまで使っていた体育館だけでなく、教室も使えるよう市教育委員会と調整している。「体調不良者を別室で隔離できるようにする」(同市緊急対策課)狙いだ。感染症に配慮した避難施設の運営体制や職員の訓練の見直しを進めている。

小田原市は発熱などの症状がある人と一般の避難者の間で滞在スペースやトイレを分けたり、物品を定期的に除菌したりする対策をまとめた。3密を避けるために「親戚や知人宅に避難することも考えてほしい」(市防災対策課)と呼びかける。平塚市は避難所に体温計を配備する。発熱者を早期に把握し、病院への搬送や隔離などにつなげる。

神奈川県は6月上旬、避難所で家族ごとの距離を2メートル程度離すことなどを盛り込んだ避難所運営の指針を策定した。開設後の初期対応では、避難者名簿の作成やマスクやフェースシールドの配布などを挙げる。新型コロナの自宅療養者は、市町村の要請に応じて県が宿泊療養施設に搬送する。黒岩祐治知事は「いざという時の行動を家族と確認しておいてほしい」と訴える。

公衆衛生が専門の尾島俊之・浜松医科大教授は「無症状の感染者がいる可能性があることを前提に対応することが必要だ」としたうえで「物資を配る人や受け取る人が手を消毒するなど予防策を徹底することが大事だ」と話している。

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