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マイナンバーカード、4人に1人は「使えない」?

知っ得・お金のトリセツ(14)

(更新)
特別定額給付金でマイナンバーカードの申請は急増した

マイナンバーカードは取得済みだろうか? 統計によると「はい」の人は日本に住む6人に1人。6月11日時点の最新データでカードの交付済み数は2161万3967件と昨年1月時点の人口を分母にした普及率はようやく17%になった。

2016年に始まったマイナンバー制度。念のためにここで言うマイナンバーカードとは、12ケタのナンバーそのものとは違うし、運用開始に先駆けて15年の年後半に簡易郵便で届けられた紙製の「通知カード」とも違う。希望者が申請して自治体窓口で受け取るプラスチック製カードのことだ。

「10万円給付金」でカード申請が急増

マイナンバーカードの交付枚数は長らく伸び悩んできた。普及率がやっと2ケタに乗ったのが制度開始から2年後。その後も低空飛行が続き今年3月時点での普及率は15%台。それが新型コロナウイルスの感染拡大を機にわずか3カ月で2ポイント近く急上昇した。カードがあれば10万円の特別定額給付金のオンライン申請ができるとうたわれたのが大きい。「まずはカードを持たねば」と1日当たりの新規申請件数がほぼ倍増した。ところが……。

カード保有者のうち、およそ4人に1人はマイナンバーカードの機能をフル活用できない状態にある。どういうことか? カギを握るのがカードのICチップ内に格納されている2種類の電子証明書だ。そのうちの1つ「署名用電子証明書」はネット上でやり取りする書類などについて「本人が作成して、本人が送信した」ことを証明する機能を持つ。今回の特別定額給付金のオンライン申請でもこの機能を使う。

任意のカードの任意の機能

総務省によると、この証明書を機能させているのはカード保有者のうち「75%程度」にとどまる。理由は複数考えられる。そもそもこの証明書の搭載は任意だ。任意で所有するルールになっているマイナンバーカード自体に、さらに任意で持つ機能を選ぶ流れ。申請書には「発行を希望しない電子証明書がある場合、下の□を黒く塗りつぶして下さい」の欄がある。

混乱を極めた10万円の給付金の場合も郵送申請書に「希望しない人は□にチェックを」の欄があり誤記が相次いだ。「欲しくて出す申請書に希望しない欄があるのは紛らわしい」と批判を浴びたが、同様の構図かもしれない。

複雑な機能と仕組みの理解

それ以外に考えられるのが自治体窓口の"誘導"。署名用電子証明書の主な使途は、給付金申請が持ち上がる前は確定申告をオンラインで行うe-Taxの利用時などに限られていた。窓口でカード申請者に尋ねられて「いや~、ほとんど使いませんよ」という説明も少なくなかったようだ。

特に高齢の申請者の場合、マイナンバーカードを保有する主な目的は券面の表側、写真付きの身分証明書にある。裏面のICチップの中身の2つの電子証明書に関する詳細な説明は、する方も聞く方もつらい。かくして、給付金目的で直近に申請した人は別だが、比較的早い時期に取得したカードホルダーの中には「機能なしカードホルダー」が一定数存在する。

それ以外にこの電子証明書は「住民基本4情報」と呼ばれる、氏名・住所・生年月日・性別とひも付いている。結婚や引っ越しで住所・氏名が変わった場合、手続きをしないと使えなくなる。また有効期限は5回目の誕生日。初年度につくったカードホルダーはまさに今年、5回目の誕生日を続々迎えている。コロナの状況次第では給付金第2弾も考えられる。今回の給付金は郵送申請で終えたからいいや、と思わず自分のカード機能のアップデートをしておきたい。

自分の電子証明書が有効かどうかの確認はオンラインでもできる。ただ、パソコンならICカードリーダーが必要で、スマートフォンもかざして通信するNFC機能搭載の比較的新しめの端末が対象機種だ。その上で地方公共団体情報システム機構のホームページの中にある公的個人認証サービスポータルサイトから「利用者クライアントソフト」をダウンロードする必要がある。安易に勧めるべきでない結論だがどうやら……、自治体窓口で確認した方が早そうだ。

山本由里(やまもと・ゆり)

1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー編集センターのマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。
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