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NBA再開、八村は強豪と力試し エース級の役割も
スポーツライター 杉浦大介

2020/6/15 3:00
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新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、3月12日からシーズンを中断している米プロバスケットボールNBAの再開が内定した。フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで無観客による試合を集中開催するというNBAの案を、6月4日にオーナーたちが承認。その翌日には選手会の投票でも可決され、再開プランはこのまま進むことになりそうだ。

その後、健康面の不安、あるいは全米に広がった人種差別に対する抗議活動がおろそかになりかねないといった理由から、一部の選手たちがシーズン再開に難色を示しているとも報道される。あとはこうした問題がクリアされれば、すでに発表されている7月30日の再開に向けてリーグ全体が動き出すのだろう。

シーズン再開後はウィザーズの八村(右)ら若手が多くの出場時間を得るとみられる=共同

シーズン再開後はウィザーズの八村(右)ら若手が多くの出場時間を得るとみられる=共同

再開後のリーグ戦にはプレーオフの圏内にいるか、進出の可能性を残した22チームが参加することも決定した。全チームが8試合ずつのレギュラーシーズン戦を行い、8月中旬からのプレーオフ出場チームを決めるという。これで東カンファレンスでは、プレーオフ圏内の8位まで5.5ゲーム差の9位だったワシントン・ウィザーズのシーズンも続くことになった。おかげで八村塁のプレーが今季中に再び見られる可能性が高い。

残り8試合でウィザーズが5.5ゲーム差を追いつくのは厳しいが、下位チームへの救済措置も用意された。シーズン終了時に8、9位が4.0ゲーム差以内の場合、両チームによる「プレーイン・トーナメント」が開催される。このトーナメントで9位チームが2戦先勝すれば、逆転でのプレーオフ出場がかなう。

とはいえ、現在再建途上にあるウィザーズのプレーオフ進出はいずれにしても難しい。ポストシーズンに出ないチームの方がドラフトで上位指名できるというNBAのシステムもあって、ウィザーズは本気で勝ちにいかないのではという見方もある。その場合、エースのブラッドリー・ビールのプレー機会は限られるかもしれない。

3月の試合前の練習でビール(右)と談笑する八村=USA TODAY

3月の試合前の練習でビール(右)と談笑する八村=USA TODAY

現時点でまず間違いないのは、今夏は八村のような若手が多くの出場時間を得られるということだ。今季の八村は1試合平均13.4得点、6.0リバウンドという好成績を残してきた。シーズン中断直前の3月6、8日には2戦連続でフィールドゴール成功ゼロとやや疲れも感じさせたが、まだ22歳と若いだけに、長期に及んだ中断期間に体力は回復しているに違いない。

再開後の残りゲームは、いわば1年目と2年目の間に行われる"サマーシーズン"のようなもの。一部の関係者の推測通り、ビールのようなベテランの出番が少なくなるとすれば、八村はエース級の役割を託される可能性もある。上位進出を目指す強豪ばかりが集うステージで、力試しには絶好の舞台。たとえ8戦だけだとしても、将来に向けて重要な経験を積む場になるはずだ。

今夏、プレーのチャンスがありそうな日本人選手は、八村だけではない。渡辺雄太が所属するメンフィス・グリズリーズも西カンファレンス8位につけており、再開後にプレーオフ進出を目指すことになる。

渡辺は基本的にはマイナーリーガーでありながら、期間限定でNBAでのプレーも可能なツーウエー契約をグリズリーズと結んでいる。11日、このツーウエー契約の選手もオーランドに帯同することになりそうだと米国内の複数メディアが報道した。これによって、渡辺が再びコートに立つ可能性も膨らんだ。

グリズリーズの渡辺(右)が再開後のNBAで再びコートに立つ可能性もある=USA TODAY

グリズリーズの渡辺(右)が再開後のNBAで再びコートに立つ可能性もある=USA TODAY

「シーズン中断から約3カ月がたちましたが、チームトレーナーのアドバイスをもとに室内トレーニングでも工夫しながら今できることに集中したかいもあり、中断前よりも肉体的に改善できた部分も多くありました。再びファンの皆様の前でプレーができることを非常に楽しみにしておりますし、メンフィス・グリズリーズの一員としてまずはプレーオフ進出を目指して頑張っていきたいと思っておりますので、引き続き応援よろしくお願いします」

8日、渡辺は所属事務所を通じてそんなコメントを発表し、再開後に向けた意欲を示した。グリズリーズとの2年契約も2年目を迎えた渡辺だが、今季はここまで16試合で平均1.9得点、1.1リバウンドともうひとつの成績に終わっていた。

グリズリーズのプレーオフ進出は予断を許さない状況。ロースターの当落線上にいる渡辺が、まとまったプレー時間をもらえるかも微妙だろう。ただ、この時期に目標があるチームに帯同し、練習時から存在感を誇示しておくことに意味はある。いつ出番が来てもいいように準備し、来季以降に向けたアピールもしていきたいところだ。

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