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破綻のハーツが新株発行 個人の投機マネーで株高

【ニューヨーク=後藤達也】5月に経営破綻した米レンタカー大手のハーツ・グローバル・ホールディングスが新株を発行し、資金調達すると発表した。破綻企業の株は通常、紙くず同然となることが多く、米国でも極めて異例だ。何が起こっているのか、Q&A形式でまとめた。

Q 破綻企業が新株を発行できるのか。

A 通常、破綻すると株主の持ち分である資本の価値はなくなり、株は紙くず同然となる。新株を発行してもまともに資金を調達できないため、そもそも発行を検討すらしないのが普通だ。

ただハーツ株は破綻申請後に株価が上昇した。いまの市場の価格通りに新株を発行できれば数百億円規模の資金を調達できる。ハーツ社はデラウェア州の連邦破産裁判所に12日、新株発行を申請し、認められた。破綻企業であっても必要な情報が開示され、株式は取引所で透明に取引されている。裁判所は新株発行を禁止する理由はないと判断した。

Q なぜ破綻したのに株価は上昇したのか。

A 個人投資家の投機的な売買が背景にある。市場では5月上旬ごろからハーツが破綻するとの懸念が広がり株価は急落した。年明けに15ドルだった株価は5月に0.4ドルまで下がった。ところがその後、短期的な値上がり益を狙った個人の売買が活発化した。将来、紙くずになる可能性があっても、0.5ドルで買った株を1ドルで売り抜けられれば大きな利益が出る。

米国では新興ネット証券ロビンフッドなど無料で手軽に株を取引できる携帯アプリが人気だ。4月以降、米国株全体も大きく上昇し、破綻企業の投機的な売買も増えた。6月には株価が5ドルを超える場面もあった。同じく破綻した百貨店のJCペニーも6月に株価が急上昇することがあった。

Q 資金調達はうまくいくのか。

A 新株発行の発表後も株価は大きく下落しなかった。株価がこのままならハーツは5億ドル前後の資金を調達できる可能性がある。ハーツは最大10億ドルを調達するねらいで、経営再建の運転資金に充てるとしている。資金調達が成功し、レンタカー事業も経済再開に伴って需要が回復すれば、再建に弾みがつく可能性もある。

ただ新株を発行しても投機的な個人マネーが持続的に流入するかは不透明だ。ニューヨーク証券取引所は上場廃止の手続きを進めており、買った株が円滑に売却できなくなる可能性もある。ハーツは裁判所への提出資料で「株式の価値が大幅に毀損するおそれがある」と注記している。

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