アルゼンチン、債務交渉4度目延期 交渉は最終段階か
【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチン政府は12日、同日を期限としていた債務交渉の期限を19日まで延期すると発表した。交渉期限の延期は4回目。国債を保有する民間債権者との交渉は最終段階に入っているとみられるが、なお細部で隔たりがあり、合意できなかったもようだ。

アルゼンチン政府は声明で「投資家と積極的な議論を行った」とする一方、「改善のための提案を受け取り、提案を分析している」と説明した。債権者団側も延長に合意しているとみられる。
米欧系の債権者団は3つに別れており、地元経済紙アンビト・フィナンシエロ(電子版)は12日、「3つのうち、2つの債権者団との交渉は大きな進展があった」と報じた。米ブラックロックやフィデリティなどで構成する債権者団も、合意に向け前向きな姿勢を示しているとみられる。
アルゼンチン国債は既にデフォルト(債務不履行)となっているが、債権者団は交渉中は訴訟はしないとしており、経済への影響は限定的だ。しかし、アルゼンチン政府は国際通貨基金(IMF)などほかの債権者との交渉も控えており、民間債権者との交渉が長引けば、全体の債務再編スケジュールに波及する可能性が高い。