コロナで足止めのインド人船員、シンガポールから帰国

2020/6/12 22:42
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【シンガポール=谷繭子】新型コロナウイルス対策の入国制限により、貨物船などから下船できずに海上で足止めされていたインド人船員87人が12日、シンガポール発ムンバイ行きのチャーター機で帰途についた。契約期間が終了しても下船できない船員は世界に約20万人いるとされ、健康状態の悪化などが懸念されている。シンガポールは国境制限の緩和を始めており、国も船員の帰国を支援する方針だ。

チャンギ空港からインドへ帰国する船員(12日)

「やっとインドに帰って家族に会える」。石油タンカーの船長、ラビ・ナガルさん(40)はシンガポールのチャンギ空港で、チャーター機に乗り込む前にこう語った。2019年11月から南アフリカなどを回る4カ月の航海に出たものの、新型コロナ対策で外国人の入国を禁止する国が増え、交代できずに8カ月、船上で勤務を続けた。「いつ下船できるのか分からず、乗員はストレスが高かった」と振り返った。

各国の船主団体で構成する国際海運会議所(ICS)によると、こうした船員は5月時点で世界で約20万人に上るという。ICSは「人道的災害に発展している」と警鐘を鳴らしていた。

12日のチャーター便はシンガポールの船舶管理会社、エグゼクティブ・シップ・マネジメントが用意した。ムンバイから交代要員の54人をシンガポールに運び、ナガルさんら87人を乗せてムンバイへUターンした。

インドへの国際線の乗り入れは制限が厳しいが、政府間の協力で実現したという。チャンギ空港では船員向けのチャーター便が6月前半に4機、発着する予定だ。

シンガポールは新型コロナで停止していた国際的な人の往来の再開に動き出している。ビジネス渡航を中国の一部路線で解禁したほか、オーストラリアや韓国などとも交渉を進めている。

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