日銀のETF貸し付け、初回は5千万円未満
日銀は12日、保有する上場投資信託(ETF)を初めて証券会社などに貸し出した。利用額は5千万円に満たなかった。12日から毎日、ETFを最長1年間貸し出す。投資家の機動的な売買を促す狙いがあるが、初回から低調な利用となった。
日銀は2019年12月の金融政策決定会合で制度の導入を決定し、2月に12の金融機関を貸付先として選んでいた。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う金融市場の混乱に対応するため、3月に購入枠を12兆円に拡大し大量にETFを買い入れている。12日にも1000億円超を市場から買い入れており、市場残高の8割超のETFを保有している。
初回の貸付額が低調だった背景について、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩氏は「日経平均株価が下落しており、そもそもETFを積極的に買い入れたい投資家が少なかった」と指摘する。
制度の先行きについては「証券会社が注文があったときに日銀からETFをすぐに借りられれば、大きな注文にも対応できるようになり取引が活発になる」(日興アセットマネジメントの今井幸英氏)とする声もある。
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