「おうちごはん」 高級家電でこだわりの味

消費を斬る
日経MJ
2020/6/16 2:00
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NIKKEI MJ

新型コロナウイルスの影響で外出自粛ムードが漂うなか、家でも簡単に手作りの1品が作れる調理家電が好調だ。スマートフォンからレシピを送信し、自動で火加減を調節――。中でも「巣ごもり」下で高価格帯の調理家電の人気に火が付いている。新型コロナ収束後も自宅で「食」を楽しむ動きは続きそうだ。

調理家電の売り場には高級家電がずらりと並ぶ(東京都千代田区のビックカメラ有楽町店)

調理家電の売り場には高級家電がずらりと並ぶ(東京都千代田区のビックカメラ有楽町店)

「昨年から購入するか迷っていたが、在宅時間が長くなり朝食にこだわりたいと思って」。都内に住む会社員の女性(32)はバルミューダ(東京都武蔵野市)の2万円ほどする高級トースターを4月に購入した。

スチームを使ってさっくり香ばしく焼き上がると評判のトースターは、SNSでも話題の商品。気にはなっていたものの、価格を考えるとなかなか手が出しづらかった。だがコロナ禍による在宅勤務の広がりで、通勤にかける時間を朝食の準備にあてられるようになった。外食にはまだ自粛モードがいくらか残っている分、朝食を充実させたい。そんな思いがトースターの買い替えを後押しした。

家で食事を楽しむならば簡単でもこだわったものを楽しみたい。高付加価値家電が伸びる背景にはそんな一面がある。「潜在的ニーズはあったが、新型コロナがきっかけになっている」(日立グローバルライフソリューションズ)と見る。

6月上旬、ビックカメラ有楽町店(東京・千代田)に足を運ぶと、「楽しく快適に!内食」と掲げられた看板の下、調理家電がずらりと並んでいた。

■18万円台の注目商品も

特に目立つのが10万円台の炊飯器や20万円近くする電子レンジだ。家電コーナーの販売員、古谷野歩さんは「1つの家電で多くの機能がついた高価格な製品の問い合わせが多い」。例えばパナソニックが1日に発売したスチームオーブンレンジは18万円台と高価格だが、「発売前から問い合わせが多かった」(販売員の古谷野さん)という。

日立グローバルライフソリューションズが昨年6月に発売した、スチームオーブンレンジ「ヘルシーシェフ」の高級ラインの販売台数は3~5月で前年同期の約1.2倍。シャープが販売する水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」は一番小さいサイズでも価格は4万円台ながら1~3月の販売は前年同期の2.5倍を記録し、4~5月は3倍以上に達した。

需要に応えようとメーカーも動く。「巣ごもり需要を狙いたい」。東芝ライフスタイルは7月上旬、最上位ラインのスチームオーブンレンジ(店頭想定価格は19万円前後)を投入する。

■ホットプレート伸びる

日本電機工業会(JEMA)によると4月の白物家電の国内出荷額は前年同月比で4.6%減。ただ外出自粛などでルームエアコンが落ち込む一方、電子レンジは同2.4%増、ホットプレートは83%も増えた。

外出自粛が求められていた4~5月も、調理家電を求めて量販店を訪れる消費者は目立った。国が実施する1人あたり10万円の特別定額給付金の使い道として、調理家電を求める声もあるという。

新型コロナが収束しても感染リスクは消えない。テレワークなどの働き方が重視され、以前より家にいる時間は長くなるだろう。時短意識は根強いながらも、家でも本格派の味わいにこだわりたい――。そんな需要は今後も続きそうだ。(河端里咲)

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