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異例のシーズン開幕 チャンスつかむ若手は誰か
スポーツライター 浜田昭八

2020/6/14 3:00
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プロ野球にやっと遅い春がやってきた。当初の予定は3月20日開幕だったが、なんと3カ月遅れの6月19日開幕だ。それでも各チーム120試合をやろうというのだから、相当な過密日程になる。コロナ禍による開幕延期の間に準備はしていたとはいえ、なにしろ初めての経験だ。色々な面で混乱が起きるだろう。それにどう対処するかが、ペナント争いの明暗を分けそうだ。

過密日程で登録選手枠が拡大

過密日程による選手の負担を軽減し、ケガを防止するため、今季限りの規則変更が取り決められた。日本野球機構(NPB)と選手会がほぼ合意した「感染拡大防止特例2020」である。内容は出場登録選手を29人から31人へ、ベンチ入り選手を25人から26人へ、外国人選手枠を4人から5人へ(ベンチ入りは4人)などである。いつもと異なる変則な練習や試合が続き、ベテランでも調整に苦労した。わずかな増員とはいえ、若手にとっては1軍入りが早まるチャンスである。注目したい若手が、どのチームにもいる。

捕手が本職の栗原だが、首脳陣は打撃力も買っている。一塁手で起用もありそうだ=共同

捕手が本職の栗原だが、首脳陣は打撃力も買っている。一塁手で起用もありそうだ=共同

1人目はソフトバンク・栗原陵矢(23)だ。右投げ左打ちの捕手だが、オープン戦、練習試合では一塁、外野でも起用された。捕手には育成選手から飛躍した甲斐拓也(27)がいる。だが、栗原の優れた打力をなんとか生かしたいと首脳陣は考えている。一塁手の内川聖一がほどなく38歳になる。後継者を用意しなければならない。栗原がその一番手に挙げられそうだ。

中日・高松渡(20)は右投げ左打ちの内野手。12球団でもトップクラスの快足選手だ。足で認められたのをきっかけに、主力へ駆け上がった選手は多い。高松もその道を進みそうだ。足を生かそうとする選手の打撃は小さくまとまってしまう傾向があるが、高松のスイングはパワフル。本職の二塁以外にも三塁、外野をこなせる。

3人目は日本ハム・野村佑希(19)。埼玉・花咲徳栄高で1年秋から4番を打った大型三塁手だ。レアード(32)がロッテへ移籍してから、チームは三塁手を固定できずに苦しんだ。今季は巨人から移籍してきたビヤヌエバ(28)を据える予定だったが、虫垂炎手術の影響でフル稼働できそうにない。高卒2年目の若い大砲の野村が、昨季のヤクルト・村上宗隆(20)ばりにドラマティックに登場するか。

■巨人・湯浅、阪神・井上も注目

このほかにも巨人・湯浅大(20)、楽天・黒川史陽(19)、阪神・井上広大(18)らが注目される。湯浅は17年ドラフト8位の遊撃手。坂本勇人(31)がPCR検査で陽性と判定されて欠場したのに伴い、出場のきっかけをつかんだ。練習試合で坂本ばりのうまい内角打ちを見せ、1軍定着をしっかりとアピールした。

黒川は智弁和歌山高1年夏から5季連続で甲子園出場を果たした二塁手。37歳の名手藤田一也の後継者と見られる。井上は43歳の福留孝介、38歳の糸井嘉男の休養日をカバーする役目を新外国人サンズ(32)や高山俊(27)と競う。増員枠に食い込むのは相当に厳しそうだ。

社会人、大卒選手は悠長に構えていられない。チームでも「即戦力」と期待している。その中で1軍入りどころか、主力組に割って入ろうとする選手が何人かいる。

ロッテ・佐藤都志也(22)は東洋大からドラフト2位で入団した新人捕手。アマのナンバーワン捕手と言われた実力者だが、周囲の目はドラフト1位の160キロ投手、佐々木朗希(18)に集中してきた。佐藤は忘れられた格好だったが、正捕手の田村龍弘(26)が腰痛で欠場した練習試合で見事に存在をアピールした。左打ちのシャープなスイングで本塁打を連発。捕手としての守りも無難にこなした。この調子だと「開幕捕手」は佐藤になるという見方が有力だ。

楽天・津留崎は速球、スライダーで押す強気のピッチングが持ち味=共同

楽天・津留崎は速球、スライダーで押す強気のピッチングが持ち味=共同

楽天・津留崎大成(22)、ヤクルト・吉田大喜(22)、広島・森下暢仁(22)の大卒3新人投手も、それぞれのチームの投手陣強化に一役買いそうだ。慶大出の津留崎は速球、スライダーで強気に押す。日体大出の吉田喜は落ちる球を効果的に使う。アマでは救援で味のある投球だったが、プロでは先発転向に向かっている。明大出の森下は練習試合で振るわなかったが、150キロ超の速球とカーブの配合がいい。

ペナントレースにはケガやスランプなどの誤算がつきもの。そのマイナスをどれだけ小さく食い止めるかが、首脳陣の腕の見せどころだ。「この選手が出てこなければ、どうなっていたか」という新鋭が、必ずどこかのチームに出てくる。突然出てきたように見えるが、準備なしに出てくるはずがない。さて、閉幕も遅い今季。終わってみて、チーム刷新、球界若返りの先頭を切ったといえる若手がどこに生まれているだろうか。

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