NYの賃貸住宅、新規契約件数が前年比6割減
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【ニューヨーク=伴百江】ニューヨークの賃貸住宅市場が、新型コロナウイルス流行に伴う経済活動停滞の打撃を大きく受けている。米不動産会社大手ダグラス・エリマンが11日発表した5月の賃貸住宅の新規契約件数は、マンハッタンが2190件と同月比で62%減り、2010年以降で4月に次ぐ過去2番目の減少率を記録した。
外出自粛令で住宅閲覧ができなかったことや、人口密度の高い都市部を避け郊外に住居を移す動きが目立ち始めたことも背景にある。
5月の新規賃貸契約件数は2190件と、4月(1407件)の次に低い水準に落ち込んだ。賃貸契約件数の減少で、賃貸募集中の在庫物件は7420件と前年比34%増えた。平均賃貸料は月額4144ドルと前年同月比で1.8%減った。
賃貸住宅の市況が悪化したのは、コロナ禍で4月、5月と外出制限が課され、住宅の見学ができなかったのが主因だ。在宅勤務の普及で、コロナ後も在宅勤務を続ける意向を持つ人が増え、職住接近の必要性が薄れている背景もある。
マンハッタンのように全米でも最も人口密度の高い地域に住まなくても、郊外や他の州に引っ越して在宅勤務ができると認識した市民が郊外に住居を求める動きが目立ち始めた。
米調査会社体ハリス・ポールが4月下旬に米国民約2000人を対象にした聞き取り調査によると、都市部に住む人の39%がコロナ危機で人口密度の低い地域に引っ越すことを考えていると答えた。
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