/

東京都の休業要請緩和 繁華街「客足戻るか不安」

(更新)

新型コロナウイルスに関する東京都の休業要請が12日から「ステップ3」に移行し、多くの店舗の営業が元通りに近づく。人出が戻らない繁華街の居酒屋では悲観の一方で期待の声も。再開に動くカラオケ店などは感染対策を急いだ。

関東甲信が平年より3日遅く梅雨入りしたとみられる11日の夜。JR新橋駅(港区)付近では横殴りの雨のなか、空席の目立つ居酒屋の店員が大声で客を呼び込んでいたが、行き交う人々の多くは足早に駅に向かった。

「ステップ3になっても客は来ないだろう」。立ち飲み居酒屋の50代の男性店主は悲観的だ。「テレワークで会社に来ないし、飲み会を禁止している会社もあるようだ」

「ステップ2」期間の売り上げは前年同期比7割減。営業時間が短くなり客単価も下がった。狭い店内で「密」を避けるため、店主が決めた場所で客同士、距離を空けてもらっている。店舗が入る雑居ビルは地下2階から9階まですべて居酒屋だったが、コロナ禍でこの店舗以外は閉じた。

ソフトバンク系のアグープ(渋谷区)のデータ分析によると、新橋駅から半径500メートルの10日午後7時台の人出は感染拡大前と比べて63%減った。歌舞伎町(新宿区)や六本木(港区)などの繁華街も5~6割減だが、緊急事態宣言が出た4月7日と比べると増加傾向にある。

「客足は少しずつ戻ってきている。(ステップ3移行で)周辺の店も再開すれば人の流れが変わるはずだ」。JR東中野駅(中野区)近くの「浦野屋やきとんてるてる東中野店」、田中陽介店長は期待する。午後10時までに縮めていた営業時間を通常通り、11時半までに戻すことを検討している。

「遅い時間からの来店も多く、1時間半の延長でも影響が大きい」(田中店長)。店内飲食をやめてテークアウトのみとした3月以降、社員のみで切り盛りしてきたが、ここにきて一部アルバイトの出勤を再開した。店内は席の間隔を空けて座ってもらい、アルコール消毒や従業員の体調管理などを徹底する。

カラオケ店も再開に動く。クリアックス(豊島区)が運営する「カラオケルーム歌広場」は、4月から休業を続けている都内の約60店舗で、ステップ3移行をきっかけに営業を再開する。団体客は部屋を複数に分けるなどの入室人数制限や入店時の検温を徹底する。

同社の担当者は「カラオケ店は『密』で危ないとのイメージも広がっていて対策を徹底するほかない」と言いつつ感染の「第2波」を警戒する。「再開しても客数を制限せざるを得ない状況は続く。先行きは不透明のままだ」と不安がにじむ。

「客の戻りは時間がかかりそうだ」と悩むのは都内でインターネットカフェを複数展開する企業の営業責任者。店内の消毒を徹底し、空気清浄機を増やすなどして5月上旬に再開したが「コロナ前と比べるとまだ客入りは半分ぐらい」。ウェブカメラとヘッドセットの貸し出しを始め、狙うのはテレワーク需要の取り込み。第2波を懸念しつつ「営業しなければ経営がどんどん厳しくなる」と話した。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 国内 海外 感染状況 論文・調査 Nikkei Asia

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン