東京アラート解除 休業緩和「ステップ3」へ

2020/6/11 21:02 (2020/6/12 5:55更新)
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新型コロナウイルス感染症対策本部会議に臨む小池都知事(11日、都庁)

新型コロナウイルス感染症対策本部会議に臨む小池都知事(11日、都庁)

東京都は11日、新型コロナウイルスに関する独自の警戒情報「東京アラート」を解除した。判断の目安となる数値が落ち着き、医療が逼迫する状況にはないと判断した。解除に伴う休業要請の緩和は不特定多数が集う施設も含まれ、感染の再拡大への警戒も必要だ。

休業要請の緩和措置は「ステップ2」から12日に「ステップ3」に移る。パチンコ店や遊園地、ゲームセンターなどの遊技施設のほか、接待を伴わないバーやスナック、カラオケ店など遊興施設も対象。飲食店の営業時間はステップ2の午後10時までから午前0時に延びる。

こうした施設は人の出入りが多く、密になりやすい。感染リスクの低減に役立ててもらうため、都は12日から、店舗・施設に利用者の体調管理や手洗いの徹底についてのチェックシートや、対策を講じていることを示すステッカーを配る。

都内では5月25日に緊急事態宣言が解かれて以降、新規感染者が再び増加した。ステップ2に進んだ翌日の6月2日は1日の感染者が34人に上り、都は「再拡大の兆候が見られる」として初めてアラートを発動した。

発動の目安となる指標は(1)直近1週間平均の1日当たりの新規感染者数が20人以上(2)感染経路不明者の割合が50%以上(3)週単位の感染者数が増加――の3つ。発動期間中は複数の指標が目安を上回る日が目立ったが、増減を繰り返しながら水準を下げ、11日はいずれの指標も下回った。

ただ、アラートは注意喚起にすぎない。携帯電話の位置情報を基にドコモ・インサイトマーケティング(東京・港)が提供する滞在人口データによると、新宿駅付近の2日の人口は感染拡大前と比べ33%減ったが、9日は26%減と逆に増えた。渋谷なども人出が大きく減ることはなかった。

新宿・歌舞伎町周辺では、夜になると20~30代の若者の姿が目立ち、会食や接客飲食店での感染が相次いだ。こうした「夜の繁華街」での感染報告はアラート発動翌日の3日から11日までで計59人で、全体の36%を占めた。都は都職員らによる見回りで「一人ひとりの行動が感染を抑えることにつながる」と協力を呼びかけたが、都幹部は「効果は限定的だった」と認める。

アラートが解除されたとはいえ、都内では11日も22人の感染が確認されており、「第2波」への懸念は消えない。都によると、11日時点で入院患者は237人。コロナ患者向けのベッドは1000床と余裕はあるが、都幹部は「営業を再開する施設や店舗は、徹底した感染防止策をとってほしい」と訴える。

繁華街を行き交う人たち(11日、東京・新橋)

繁華街を行き交う人たち(11日、東京・新橋)

カラオケ店「まねきねこ」を運営するコシダカホールディングスはステップ3への移行に備え、都内にある約70店舗に店員が着用するフェースシールドやマイクカバー、除菌シートなどを配布済み。「いつでも営業を再開できるように対策をしている」(同社)といい、感染防止体制の整った店舗から順次、営業を再開するという。

西武鉄道はグループ会社が運営する遊園地「としまえん」(東京・練馬)について「なるべく早く再開したい」(広報担当者)と説明する。

感染症対策に詳しい東京慈恵会医科大の浦島充佳教授は、都のアラート解除と休業要請緩和の方針について妥当との見方を示し、一定数の感染者が出ている現状を「市中感染が次々と起きている可能性は低い」と分析。その上で「首都圏全体の経済活動に影響を与える対策よりも、感染リスクの高い場所などに対象を絞った対応が重要になってくる」と話している。

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