中部電社長「送配電で連携」 コロナ禍、電力需要は停滞

2020/6/12 2:00
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中部電力は4月1日付で送配電と販売部門を分社化し、持ち株会社となった。中部電の経営トップも5年ぶりに交代した。林欣吾社長にグループ戦略を聞いた。

林欣吾 中部電力社長

――分社化の成果は。

「分社化は各社がそれぞれの市場と顧客に向き合うことで需要をつかみ、迅速にサービス展開するのが狙い。例えば、(電気・ガスの販売を担う)中部電力ミライズは子どものいる家庭を対象に8~9月の電気料金を割り引くキャンペーンを決めた。新型コロナウイルスの流行で自宅にいる時間が増えることに伴う負担を抑える取り組みだ。素早くキャンペーンを打ち出せたのは分社化の成果と言える」

――送配電の中部電力パワーグリッドは他社と提携が増えています。

「関西電力送配電などと共同運営するコールセンターを札幌市に設置した。平時はそれぞれの会社に分かれて仕事するが、大規模停電など非常時は人員を融通し合って問い合わせに応じる。電力の安定供給に向けてパワーグリッドが他社と連携する機会は増える。必要があればこちらからも連携強化を呼びかける」

――東京電力ホールディングスと東芝エネルギーシステムズが原子力発電所の安全対策を担う会社を共同設立しました。

「(沸騰水型軽水炉=BWRの一部共同事業化で基本合意した中部電、東電、日立製作所東芝の)4社連合とは異なる取り組みだが、電力会社とメーカーが一緒になって原発事業を効率化する目的は共通だ。東電からの人材の派遣要請は前向きに検討したい。効率化のノウハウを吸収できれば4社連合の今後の取り組みなどに生かせる」

――コロナ禍で企業の生産活動は落ち込んでいます。電力需要は。

「5月の中部地区の電力需要は前年同月比で10%超の減少で、4月より落ち込みが大きかった。顧客の声を聞く限り、電力需要の低迷はしばらく続きそうだ。電力会社として経営的には厳しいが、再生可能エネルギー発電など将来に向けて必要な投資は続ける」

(聞き手は湯浅兼輔)

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