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中国の宗教弾圧、香港へ拡大警戒 米国務省高官

【ワシントン=中村亮】米国務省で信教の自由を担当するサム・ブラウンバック大使は10日、日本経済新聞の電話インタビューに応じた。中国政府が影響力を強める香港で中国本土と同じような宗教弾圧が起きかねないとの懸念を表明した。ウイグル族の弾圧を主導したとみなす中国共産党幹部に対し「深い憂慮」を示し、経済制裁の対象に指定する可能性を排除しなかった。

米国務省で信教の自由を担当するブラウンバック氏はペンス副大統領やポンペオ国務長官に近いことで知られる

ブラウンバック氏はカンザス州選出の上院議員や同州知事を経て、2018年2月に世界に信教の自由を広げる国務省の大使に就いた。ペンス副大統領やポンペオ国務長官に近いことで知られる。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が譲歩できない分野とする香港やウイグル問題で強硬姿勢を改めて示したことで、米中関係の悪化に拍車がかかる恐れがある。

ブラウンバック氏は中国が香港への統制を強める「香港国家安全法」をめぐって「香港での信教の自由を著しく損ねる可能性があるように思える」と語った。宗教活動が同法の規制対象とされる国家分裂や政権転覆を狙った活動などとみなされかねないとの危惧を示した発言とみられる。

「中国政府が事実上あらゆる地域で信教の自由を制限している」と指摘。「香港で似たことをやると考えてもあまり誇張ではないだろう」と語った。米政権は共産党が聖書の販売を禁じ、教会を破壊していると主張。ブラウンバック氏はこうした行為が、「一国二制度」が衰退したとみなす香港でも起きる恐れがあるとみる。ただ現時点では香港で宗教弾圧が起きたとの報告はないとも説明した。

ウイグル族を巡っては新疆ウイグル自治区トップの陳全国・共産党委員会書記を名指しして「(同区を)警察国家にした」と主張した。陳氏らが「ウイグル族からイスラム教を取り除こうとしているようだ」と非難。「(陳氏らの)行動を深く憂慮している」として制裁対象にする可能性を排除しなかった。

米議会上下両院は5月までにウイグル族の弾圧に関わった中国当局者に制裁を科す法案を可決し、米メディアによるとトランプ大統領が近く署名し成立する。法案も陳氏をウイグル自治区での人権侵害の責任者と指摘する。ブラウンバック氏の発言は法律が成立すれば米政権が速やかに陳氏に対し制裁を科す可能性を示すものだ。陳氏は共産党政治局員も務め、制裁は両国関係を一段と悪化させるリスクがある。中国はウイグル族の弾圧を一貫して否定している。

ブラウンバック氏は中国がハイテク技術を駆使した国民の監視システムを構築していると主張し、改めて懸念を示した。「信教の自由を侵害するために技術が悪用されることをとても懸念している」と語った。新型コロナウイルスの発生をきっかけに監視型社会を推進し、各国への監視システムの輸出が加速しかねないとも指摘した。

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