FRB、22年末までゼロ金利維持 追加策3案を検討へ

2020/6/11 3:02 (2020/6/11 7:50更新)
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、少なくとも2022年末までゼロ金利を維持する長期の金融緩和方針を表明した。量的緩和政策の購入目標も明示し、米国債などを月1200億ドル買い入れる。パウエル議長は「米経済の先行きは極めて不透明だ」として、量的緩和の拡大など3つの追加策を検討する考えを示した。

10日のFOMCでは、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%のまま据え置き、ゼロ金利政策を維持した。3月に再開した量的緩和政策は、購入枠を「必要とされる量」としてきたが、米国債は月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)も同400億ドルを当面の目安とする。足元では一日あたり40億ドルの米国債を買い入れており、購入ペースの維持を明示した。

FOMCではFRBの正副議長や理事、地区連銀総裁による参加者17人が、22年までの政策方針と景気見通しをそれぞれ提示した。15人はゼロ金利政策を少なくとも22年末まで維持すると表明。3年間にわたって利上げを見送る長期の金融緩和が、FOMCの中心シナリオとなった。マイナス金利政策の導入を検討する参加者はゼロだった。

4~6月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比10%減、年率に換算すれば40%減という大幅な落ち込みが予想される。パウエル氏も「これまでで最も過酷なマイナス成長になりそうだ」と強く懸念した。先行きは21年10~12月期に前年同期比5.0%増のプラス成長を見込むが「感染第2波のリスクなど、不透明感が極めて強い」(パウエル氏)と指摘した。

5月の失業率は13.3%と前月(14.7%)から持ち直しに転じた。パウエル氏も「1つの指標としてみれば、雇用は底打ちした可能性がある」と指摘した。ただ、FOMC参加者は20年10~12月期時点の失業率を9.3%、21年同期も6.5%と予測し、コロナ危機前の3~4%台に戻るには相当な時間がかかると判断している。

そのため、FRBは7月以降の会合で、追加策を検討する。具体的には、ゼロ金利を維持する期間をより明確に約束する「フォワード・ガイダンス」や、量的緩和の一段の拡大を議論する。今回のFOMCでは、日銀のように長期金利に誘導目標を設ける「イールドカーブ・コントロール」も検討した。パウエル氏は「主要施策を補完できるか未解決の問題が残っている」としつつも、次回以降の会合で引き続き議論すると表明した。

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