ビール大手4社のビール系飲料販売量、5月は13%減

2020/6/10 15:02
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ビール4社が10日発表した5月のビール系飲料の販売量合計は前年同月比で13%減った。新型コロナウイルスで飲食店の休業や営業時間の短縮が相次ぎ、ビールが40%減ったことが主な要因。一方で健康への意識や節約志向で発泡酒や第三のビールを選ぶ傾向は強まり、ともに2カ月連続で増えた。1~5月の販売量は第三のビールがビールを上回ったもようだ。

「淡麗グリーンラベル」など糖質の少ない発泡酒の販売が伸びている(仙台市のキリンビール仙台工場)

アサヒビールは「ザ・リッチ」の販売目標を当初計画の2倍に引き上げた(四国工場)

緊急事態宣言の解除地域が広がり、21%という記録的なマイナスだった4月よりは回復したが、13%減も厳しい。販売量より客観性が高く、工場からの出荷を示す「課税出荷量」を遡っても、3カ月連続で前年を2ケタ下回ることは過去25年間なかったとみられる。

ビールは飲食店への販売が大幅に落ち込み、40%減った。反対に発泡酒は2%、第三のビールは14%増えた。消費者の「家飲み需要」をとらえたようだ。企業別ではキリンビールが9%、サントリービールが4%、サッポロビールが20%減少した。アサヒビールも販売額で22%減っている。

ブランド別ではアサヒの「スーパードライ」が35%減った。ここでも業務用と家庭向けで明暗が分かれており、瓶は6割減、飲食店のサーバーにつなぐ樽(たる)が7割減だった。一方で、主に家庭で消費する缶ビールは1%減にとどまる。キリンの「一番搾り」は2019年のリニューアルの反動もあり46%減、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドは52%減、サッポロの「黒ラベル」は41%減だった。

在宅勤務で運動不足を気にする消費者が増え、糖質の少ない製品を買う動きも目立つ。キリンは糖質の少ない発泡酒「淡麗グリーンラベル」など、糖質オフやゼロの発泡酒・第三のビールの商品群が1割増えた。アサヒは糖質ゼロの発泡酒「スタイルフリー」が13%、サントリーも第三のビール「金麦〈75%オフ〉」が30%増えている。

第三のビールは依然として堅調だ。キリンは「本麒麟」が15カ月連続で前年実績を超えた。アサヒは「ザ・リッチ」、サントリーは「ブルー」、サッポロは「GOLD STAR」が伸びた。

「巣ごもり消費」を反映し、ネット通販で箱単位の購入も多かった。キリンは大手サイト経由でのビール系飲料の販売量が8割増えた。アサヒも「スタイルフリー」で4月から5月にかけて、前年より約7割増えた。

6月から8月にかけてビール消費量は最盛期を迎える。飲食店も本格的に営業を再開しつつあるが、すぐにコロナ以前の客足に戻ることは見込みにくい。「ウィズコロナ」のビール系消費の姿は、まだ見えてこない。

(後藤健)

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