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「試合」の目標がある幸せ プレーで気持ち伝える

コロナ禍で中断していた練習が再開して約1カ月が過ぎた。フィジカルのメニューから始まり、グループ単位での練習、そして全体練習への移行。「サッカーができる幸せ」は、ずっと感じていることなので、それを新たに思うことはない。ただ、「試合」という目標がある幸せは強く感じている。目指すものがないまま、練習を積み重ねるだけの毎日は、やはりつらい。

6月12日のマラガ戦でリーグも再開する。不思議な縁に頬が緩む。というのも、今はウエスカの一員でいるが、今季当初、僕はマラガで移籍成立をずっと待ち続けていたからだ。「今回も登録ができなかった」という報告を受けながら、試合前日の非公開練習で対戦相手の「役」ばかり務めた日々。今回その同じ場所で無観客試合に臨む。

スペインリーグは11日から再開される。岡崎が所属する2部ウエスカは12日にマラガと対戦する=ロイター

残り11試合にウエスカはスペイン1部昇格を懸ける。中断前にゴールを決めていたことで仲間からの信頼を感じるし、自信もある。

過去にも似た状況に立ったことはあるが、気づくと"守り"に入っていた。肝心な時にアシストやリスクの少ないプレーを選び、結果的に得点を決められるポイントにたどり着けなかったり……。そういう後悔をもう繰り返したくはない。

チームプレーをないがしろにするわけではないが、どこで得点を取るのかという意識を強く持つ。ゴールの決め所へ自分をどう持っていくか、イメージしながらのトレーニングも実際にできている。ゴールを決めた実績が、そこを考える余裕をくれている。

既に再開したドイツ・ブンデスリーガを見ていると、試合に入りきれない難しさがあるんだと感じた。練習試合もなく、リーグに臨んだせいだろう。フィジカル面に問題は小さくとも「そんなミスをするか!」という場面が結構ある。そんな隙を突き、ゴール前で力を使うことが重要になりそうだ。

海外にいる日本人選手は、こういう難局は得意かもしれない。自国で生活を楽しみながらプレーするその国の選手と違い、日本人選手はピッチの内外で普段から我慢を強いられることが多く、耐性がある。無観客も含めた「新しい様式」の中で90分間、高いモチベーションを保ってプレーすることも特別ではない気がする。

行動自粛の中で、多くの人がインターネットに情報を求め、情報を発信する人も増えた。さまざまな言葉、発言が拡散し、あふれる中で、僕が信じられるのは行動だとあらためて感じた。「言って終わり」じゃなくて。何も言わない人は、何も感じていないわけじゃない。黙って行動する人だっている。僕はサッカー選手だから、プレーでいろいろな気持ちを表現し伝える。それしか自分にできる「行動」はないと思うから。

(ウエスカ所属)

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